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大画面テレビ&BD時代のサラウンド入門 第1回

超お手軽!? イマドキのサラウンドシステムとは?

2009年11月27日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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サラウンドフォーマットもHD対応へ

「ドルビーTrueHD」のロゴ

「ドルビーTrueHD」のロゴ

「DTS-HDマスターオーディオ」のロゴ

「DTS-HDマスターオーディオ」のロゴ

 マルチチャンネル環境の多様化を牽引しているのは、サラウンド音声の記録フォーマットの進化だ。DVD-Videoが標準で対応していたフォーマットはPCMとドルビーデジタルの2つ。ドルビーデジタルはモノラルから5.1chまでのサラウンド音声を記録するための規格で、リニアPCMの1/10程度にまで圧縮して記録する。

 DVD-Videoではオプション扱いになっているが、ドルビーデジタルの対抗軸として「DTSデジタルサラウンド」もある。こちらも同様にサラウンド音声を圧縮して記録するが、ドルビーデジタルに比べて圧縮率が低く(リニアPCMの約1/4程度)、その分音質面で有利になっている。

 この2つはDVDで広く使われているが、BDでは大容量であるメリットを活かし、よりリッチなサラウンド体験と高い音質を実現するフォーマットが利用されている。それが「ドルビーTrueHD」や「DTS-HDマスターオーディオ」だ。

 いずれも7.1ch分の音声を収録することが可能で、容量の大きいBDで使われることを見越して可逆圧縮で収録されている。ビットレートはドルビーTrueHDで最高18Mbps、DTS-HDマスターオーディオは最高24.5Mbps(BD利用時)で、ドルビーデジタルやDTSデジタルサラウンドよりも圧倒的に高い。

 サラウンドフォーマットをどこでリニアPCMに変換するかも大きなポイントになる。AVアンプ側で処理する場合、当然AVアンプがそのサラウンドフォーマットに対応している必要がある。ただ、プレーヤー側で処理を行ない、リニアPCMとして出力することができれば、AVアンプでサポートしていないサラウンドフォーマットでも音声を出力することが可能だ。

 なお、光デジタル出力(S/PDIF)は規格上、6.1chまでしかサポートしていないため、7.1chの「ドルビーTrueHD」や「DTS-HDマスターオーディオ」ではプレーヤー側でチャンネル数を落とす処理が必要となってしまう。このため、これらのフォーマットを再生する際にはHDMI接続が基本になると考えていいだろう。


多様化するサラウンド製品。あなたはどれを選ぶ?

ソニーのシアターラックシステム「RHT-G550」。フロントとセンター、サブウーファーの3.1ch分のスピーカーを内蔵し、バーチャルサラウンド技術である「S-Force PROフロントサラウンド」によりサラウンド環境を実現する

ソニーのシアターラックシステム「RHT-G550」(実売価格8万円前後)。フロントとセンター、サブウーファーの3.1ch分のスピーカーを内蔵し、バーチャルサラウンド技術である「S-Force PROフロントサラウンド」によりサラウンド環境を実現する

 映画などの映像作品を音まで含めて100%堪能したいのなら、ぜひともサラウンド環境を構築したいところ。ただサラウンド環境を実現するための製品は数多く、どれを選択すべきなのかはなかなか判断しづらい。そこで簡単に製品を選ぶ際のポイントを紹介したい。

 まず、とにかく楽にサラウンド環境を構築したいと考えるのであれば、「シアターラック」と呼ばれるジャンルの製品がオススメだ。これはテレビ台にスピーカーが埋め込まれたもので、これさえ設置すればサラウンド環境を整えられる。部屋の中にスピーカーを設置する必要がないため、できるだけ部屋をスッキリさせておきたいと考えるユーザーにもピッタリだろう。

ヤマハからリリースされている「YSP-4100」は、専用のシアターラックと組み合わせて使えるスピーカーだ。音をビームとして出力し、それを壁面などに反射させることでサラウンド環境を実現しているのが大きな特徴となっている

ヤマハからリリースされている「YSP-4100」(予想実売価格16万円前後)は、専用のシアターラックと組み合わせて使えるスピーカーだ。音をビームとして出力し、それを壁面などに反射させることでサラウンド環境を実現しているのが大きな特徴となっている

 同様に手軽さを重視しつつ、音質にもこだわるのであれば、フロントサラウンド系の製品がオススメ。バーチャルサラウンドなどで臨場感を生み出しつつ、テレビの前にスピーカーを置くだけで済むため、手軽に設置できる。

 製品の価格帯の幅が広いのもこの分野の製品の特徴で、数万円で気軽に買える製品から、10万円以上の音質を重視した製品まで揃っている。ただし、数万円のものはシアターラックと同程度の音質となるため、あくまで音質重視であれば10万円前後の製品がおススメである。

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