操作中のイライラは解消されたか? 操作レスポンス比較
実際に使っていて、それなりに気になるのが操作のレスポンスだ。まずは各社の起動時間とBDソフト再生時間を実測してみた(HDMI接続で計測)。
機種名 | DMR-BW570 | BDZ-RX30 | DVR-BZ130 |
---|---|---|---|
起動時間(高速OFF) | 出画6秒/完了7秒59 | 出画40秒/完了1分04 | 出画5秒/完了11秒06 |
起動時間(高速ON) | 出画6秒/完了7秒48 | 出画8秒/完了12秒95 | 出画5秒/完了10秒17 |
BD再生までの時間 | 21秒34 | 24秒03 | 49秒89 |
もっとも起動が高速なのはパナソニックで、三菱もそれとほぼ同等。反面、三菱の場合はBD再生までに時間がかかった。一方、起動時間が遅いのはソニーだが、高速起動ONならば大きな差はなくなる。パナソニックと三菱の場合は高速起動ON/OFFの差はごくわずかなので、消費電力を考えれば、常時OFFでも良いだろう。
録画予約のレスポンスは、番組表のスクロールが高速なパナソニックと三菱が好印象。録画予約もメニュー操作の反応もスムーズで問題はない。ソニーは番組表のスクロールが遅めだが、録画予約操作のレスポンスは同等だ。
再生はパナソニック・三菱と、ソニーで顕著な差が現れた。パナソニック・三菱は番組リストで再生を選んでから再生が始めるまでに若干のタイムラグがある。早送り/巻き戻しをしたときも実際に早送り/巻き戻しになるまでに一呼吸おく感じだ。早送りは1回押しで音声付き早見、2度3度と押すと高速早送りになるのだが、早送り開始のタイムラグがあるため、2度3度と押しても音声付き早見になってしまい再度早送りボタンを押し直すことになる。
ソニーは、番組の再生開始は多少もたつくが、パナソニック・三菱よりはやや速い。早送り/巻き戻しもレスポンスのもたつきはなく、2度押し、3度押しで直接高速早送りができる。ただし、15秒送り/10秒戻しがもたつく。とくにCM枠が90秒もあると、何度も押すわけだが、他社が3度押しで一気に90秒送るのに対し、ソニーはもたもたと30秒ずつ3回送っていく。CM飛ばし派の人は気になるかもしれない。幸い、最新モデルはダブル録画でも両方の番組を自動チャプター分割できるので、チャプターごとすっ飛ばすのが精神衛生上良いだろう(ただしチャプタージャンプも他に比べるとややもたつく)。トータルで言えば、どちらも少々スムーズさにかける部分がある。
編集は、どのモデルもややもっさりとした挙動になりやすい。ソニーは比較的スムーズに動くが、チャプタージャンプなど、映像を飛ばして再生するときにもたつくのは同じ。パナソニックと三菱は、チャプター分割ではなく、消去部分の先頭と終了位置を指定するタイプのものだが、その始点と終点の決定のもたつきが気になる。あわてて次のシーンへ映像を早送りすると、終点の決定がキャンセルされることもあり、少々使いにくい印象だ。ただし、チャプター分割を再生中に行なっておけば、このイラつきはほぼ解消される(編集機能については次回で詳しく解説する)。
このほか、チャンネル切り替えなどのレスポンスは決して速くはないがイラつくほど遅くもない。最新のレコーダーとしては問題ないレベルだ。操作のレスポンスについてはまだまだ改善の余地があるとは思う。BDレコーダーの初号機に比べればかなりスムーズになったことは評価できるのだが、これからは買うユーザーはチャンネル切り替えも録画開始もボタンを押した瞬間に反応するVHSデッキユーザーを使っていたユーザーがかなり多い。それらの人にとっては、まだまだもっさり動作と感じてしまうだろう。「チャンネル切り替えが遅い」というだけの理由で地上アナログ放送を見ている人、「動作が重いので」アナログチューナーのHDD/DVDレコーダーを愛用しつづけている人も少なくないという話も聞く。
BDレコーダーが今や、VHSデッキやアナログチューナー内蔵のHDD/DVDレコーダーユーザーからの買い換えに主眼を置いているのは第1回で述べた通りだが、それならば当然、操作のレスポンスについてはさらなる改善が必要だと感じる。とくにPCでの動作でもよくありがちな、バックグラウンドでの処理の負荷の変化で、レスポンスが急に悪化するような不安定な動作は解消してほしい。
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