これの使い勝手がすべてかも! リモコン比較
いよいよレコーダーの使い勝手では決して欠かせないリモコンの比較だ。初期(DVD時代)のレコーダーのリモコンはVHSデッキの延長線上にあるような代物で、極めて操作がしにくかった。そのころから、DVDでも画面のメニューを十字キーで操作するオンラインメニューが採用されはじめたため、リモコンを操作する機会がどんどん増えていった。だいたい、購入後もっとも触る部分であるリモコンが安っぽい仕上がりなのも気に入らなかった。まあ、年寄りの小言はこれくらいにするにしても、最新モデルのリモコンはずいぶんと使いやすくなった。
個人的な使いやすいリモコンの選択ポイントは、十字キーとその周辺のボタンの配置だ。現代のリモコンのホームポジションは、十字キーの中央に親指を載せた状態だと思うが、その状態で持ち替えたり、もう一方の手を使うことなく、よく使う操作のほとんどができるように配置されていることが重要。その点で言えば、各社とも、番組表や録画リストといったよく使うボタンは十字キーの近くにあるので、まったく不満なし。
パナソニック DMR-BW570のリモコン
パナソニックのリモコンは、ボタン数も比較的少なめで、ボタンの色分けもされているなど、日常的な使い勝手は良好。再生ボタンの配置も従来は少々使いにくかったのだが、再生ボタンの両側に早送り/早戻し、一時停止ボタンの左右にチャプタージャンプ(正/逆)が配置されるなど、直感的な操作ができる配置となった。
気になる点があるとすれば、ダイレクト選局用の10キーと録画ボタンがカバー内にあること。レコーダーでは予約録画が主体なので、録画ボタンが隠されているのは、あまり気にする必要はないだろう。10キーについては好みが分かれるだろうが個人的には、デジタル機器はチャンネル切り替えが総じて遅いので、チャンネルの順/逆送りボタンは使いたくない。つまり10キーは隠さずに表に出ていてほしいと思う。
ソニー BDZ-RX30のリモコン
ダイレクト選局ボタンが表に出ているのはソニー。そのため、ボタン数はもっとも多く、AV機器が苦手な人が見ると使いにくそうな印象を持ちがちだという。しかし、実使用上はダイレクト選局ができるほうが便利なのはすでに述べた通り。再生ボタンの配置も、早送りとコマ送り/スロー正が同じボタンとなっており、再生時は早送り、一時停止中はコマ送り、長押しでスロー正と使い分ける。このあたりのクセを覚える必要はあるが、案外すぐ慣れる。30秒送り/10秒戻しができる「フラッシュ正/逆」やチャプタースキップボタンもきちんと用意されている。
録画ボタンはやはり下部のパネル内にある。これは問題ないのだが、録画停止ボタンもパネル内にあるのは気になる。例えば追いかけ再生をしていると、CMを飛ばしている間に番組に追いついてしまい、残るは放送終了後のCMが続くだけという時間帯に遭遇することがよくあるが、そのときにいちいちパネルを開いて「録画停止」をするのが面倒。オプションメニューから「録画停止」を選ぶこともできるが、どちらにしても面倒。他のモデルのように、表に出ている「停止」ボタンでいいんじゃないかと思う。
三菱 DVR-BZ130のリモコン
ボタン数の少なさでは、大胆すぎると思えるのが三菱。潔いほどボタン数が少なく、その分、主要なボタンが大きいのでとてもわかりやすい。ダイレクト選局ボタンが上部のカバー内にあるのは不満だが、録画予約や番組の再生などはカバーを開け閉めすることもなく使えるように工夫されている。先述した「詳細予約」や、「見どころ」再生ボタンなど、便利な機能ボタンがきちんと用意されているのもいい。
ただし、これはあくまでも「レコーダーは手軽に録画や再生ができるのが一番」という一般ユーザーの話。筆者のようにヘビーにレコーダーを使う人間にとっては、残念ながらもっとも使いにくかった。
まず第一に「スタートメニュー」やサブメニューボタンがカバー内にあること。スタートメニューは初期設定など使用頻度は少ないので理解できるが、サブメニューが上部パネル内にあるのは理解できない。たとえば、番組表で録画予約や番組探しをする場合、番組表ボタンは上部パネルの表、サブメニューは上部パネル内にあるので、そのたびにパネルを開け閉めしなければならない。サブメニューは再生時もよく使うので、使っていて上部パネルを開け閉めする頻度が極めて多かった。これについては真剣に改善を期待する。
さらには、下部パネル内に「チャプター送り/戻し」ボタンあるのも少々不満。上部パネルの配置ほどの不満ではないが、録画番組の再生よりもBDソフトの映画や音楽ソフトを見るときに気になる部分。やはりレコーダーなのだから、再生系のボタンはしっかりと充実させてほしい。
このようにテレビ視聴中にあまりリモコンを触らないタイプの人ならば、極めて使いやすい。反面、常に手に届く場所にリモコンがないとレコーダーを使えないタイプの人にとっては不満が大きい。ただし、この大胆な試みそのものは高く評価している。ユーザーの反応などに耳を傾けながら、より使いやすく改善すれば、他を圧倒する優秀なリモコンになるに違いない。
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