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行っとけ! Ubuntu道場!第5回

~師範! フリーソフトウェアってなんですか!~

2009年08月27日 17時30分更新

文● hito(Ubuntu Japanese Team) イラスト●瀬尾浩史

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フリーソフトウェアの利点?

あわしろいくや:いろんなプラットフォームで同じものが使える(かもしれない)、というのは答えの一つかもしれませんな。たとえばFirefoxなんかは、ほとんどのOSに移植されてるわけですよ(注4)

小林:他のパターンもありますよね。

あわしろいくや:他にはですな、Microsoft Office 2000はVistaでは動きません。

hito:ほんとは、MS Office 2000はサポート切れてるから使っちゃダメなんですけどね。でも企業とかでは結構使われてるはず。

あわしろいくや:でもオープンソースソフトウェアなら、こういう問題を回避できるかもしれない。きっと誰かが移植するので。

やまね:難しいところだなぁ。MS Office 2000が互換性のためにどうしても必要で、2003や2007じゃダメ、って状況が広く発生するなら、誰かが移植するかなぁ。

hito:たいていそういう対応をするのは、もともとの作者とは別の人だったりしますけどね。ここで「フリーじゃない」ソフトウェアだと、「誰でも中身をいじれるようになってないから、スキルのある人がいても協力できないのー」ってことに。

ミズノ:他にも、バグがあっても、どこかの誰かが直してくれるかもしれないし、スキルのある人が知り合いにいれば、直してくれるように頼めるかも、と。

hito:開発する能力を持った人が充分にいるなら、確実にフリーソフトウェアの方が強いんですよ。フリーじゃないソフトウェアはあくまでマイクロソフトやGoogleなど、企業が1社で担うわけですが、フリーソフトウェアなら「世界中のみんな」ですから。

小林:「世界中のみんな」には、ソフトウェアを公開した会社そのものも含まれますからね。たとえばUbuntuであればCanonical社が公開しているわけですが、開発に関わっているのは「世界中のみんな(+Canonical)」です。

あわしろいくや:開発リソース無限にあるのと同じですから。今が「充分にいる」という条件を満たしているか、とか、「それがユーザーにとってメリットとなっているか」、といった問題は残りますが……。

ミズノ:あれ、これだけじゃ答えにならない?

hito:ならないです。実はこれ、「オープンソースソフトウェアは、いざとなった時に自分で直せるからうれしい」というのを言い換えただけですから。

やまね:難しいんだよねぇ……。

小林:利用者のメリットとしては、何か、裏でこっそり情報を盗聴するようなソフトが入っていないことが分かる、というのもあるでしょうか。

ミズノ:ブラックボックスじゃないので安心というのはありますね。

hito:いや、ブラックボックスじゃないことは、常に有効なメリットじゃないです。なぜなら、一般人には検証できないから。

ミズノ:なるほど。ソースコードがあっても結局ブラックボックスであることには変わりない?

小林:「知り合いにソースコードを読める人がいる」というケースでは検証可能ですね。

hito:です。ソースコードが公開されていることは、実は利用する側にとってはどうでも良くて、「専門家に対する信頼」という別の条件が支配的です。

やまね:自分でソースコードを読めない人にとっては、あまり意味がないんだよなあ。「○○という有名なプログラマが問題ないと言っていた」方式もダメだし。

あわしろいくや:ユーザーから見ると確かに微妙ですなぁ。偽専門家を用意しておいて、「検証したけど問題なかったよ」とか偽装できるわけですし。

hito:科学とか医療でも、仕組みが検証されてない、うさんくさいアヤシゲアイテムって山ほどあるじゃないですか。○○博士のお墨付き! とか書いてあるんだけど、それは体育学とか文学の博士号で、科学関係ねーじゃねーかみたいな。

小林:まったく関係ない人を連れてきてもいいわけですからね。「知り合いのプログラマに読んでもらって検証できる」という状況であれば信用できる、と言っても良いように思います。

あわしろいくや:草の根で展開できる、というのはメリットですが、わかりやすくはないですなぁ。

hito:さらに言うとですね、「別に盗聴用のソフトウェア入ってても悪さしないんでしょ」とか言われるともう……。

あわしろいくや:微妙なので話を変えますか。フリーソフトウェアのメリットとして、「再配布が自由なので、どこかのサーバーにまとめておいて、aptで簡単にインストールできる状態にできる」というのはありますな。apt-getとかSynapticでカンタンにインストールできるのは「フリーソフトウェアならでは」です。

小林:ソフトウェアをひとつのリポジトリに集積できる、というメリットはありますね。クローズドなソフトウェアの場合、自由な再配布が難しいことが多いですし、DebianやUbuntuのような大規模なリポジトリを作るのは難しいと思います。

やまね:Windowsで同じような仕組みを作るのは大変だろうなぁ……。

Ubuntuには、リポジトリという巨大なソフトウェアの貯蔵庫がある。このリポジトリがあるおかげで、インストールだけでなく、OSとアプリケーションのアップデートもボタンひとつで完了できる。メンテナンスがとてもカンタンなのはUbuntuの大きなメリットのひとつ

編集S:いちどUbuntuに慣れると、Windows使うのツラいですねー。コマンド一発でソフトウェアインストールできないの!? という。

ミズノ:さらに言うと、「Ubuntuのシステムにカンタンにインストールできるように改変してある」というのもポイントになります。配布されているそのままで使わないといけない、という制限があると、コマンド一発インストールは実現できない可能性が高いです。改変と再配布できるからこそ、という感じですね。

小林:まとめると、「フリーソフトウェアは、クローズドなソフトウェアと違う未来が期待できますよ」という話になるでしょうか。

(注4)
ミズノ:OS/2とかな!
編集S:OS/2についての説明よろ。
ミズノ:古代のOSだと思えばいいですよ! あとはググれ!
編集S:古代? あー……古代でいいです(←ググった)。

(次ページへ続く)

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