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打ち上げ花火をデジタルカメラで撮影する

プロが教える!花火の撮影テクニックと機材

2009年07月27日 00時04分更新

文● 写真 三浦健司

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撮影 基本編

 撮影は、場所の確保からはじまる。ベストの撮影地点は、打ち上げられる花火を正面で捉えられるところだ。もちろん、ベストな場所には、多くのカメラマンが狙っているはずで、日中から多くの三脚が立ち並んでいるだろう。早めに会場入りしてよい場所を確保しよう。

 場所が確保できたら、カメラを三脚につけ想定される花火の大きさに合わせ、レンズの焦点距離を変えてみよう。全体を狙うなら広角側、部分を狙うなら望遠側になる。ピントは、ほとんどの場合、無限遠で対応できるが、やや至近距離の撮影では個別に合わせる必要がある。なお、ピントリングはテープで無限遠の位置に固定すると撮影時に不用意にずれず、ピンぼけになる心配がない。

花火広角側画像

花火広角側画像

花火/望遠側画像

花火望遠側画像

 ズームレンズの焦点距離は、花火のスタイルや尺玉など花火の大きさに合わせ全体を捉えたい場合は広角側で、部分にこだわる時は望遠側になる。縦位置の場合、花火の爆発点を画面の中央より少し上に位置させるとバランスのとれた写真になる。

 花火の打ち上げの際は、先に光が見えその後に音が聞こえる。パッと光ってからドーンというあんばいだ。そのためキレイな花火が見えてからシャッターを切ったのでは手遅れだ。花火を肉眼で見たように撮るには、花火の発射に合わせシャッターを切り、夜空で大輪が咲き終わるのを待ってシャッターを閉じるのが基本だ。

 露出はマニュアルモードを使う。通常ダイヤルにはMと表記されている。シャッタースピードは、バルブに設定する。ISO感度が200であればF16、100であればF11前後が目安で、手動で合わせる。露光時間は花火を一つの画面に何発入れて撮るかによるが、概ね10秒前後だ。露出で気をつけたいのは、短時間に玉数が多いスターマインだ。スターマインの撮影は、たくさんの花火が重なるように打ち上げられるため露出オーバーになりがちだ。絞りをF22以上にするか、NDフィルターをレンズ前に装着すれば、露出オーバーを防げる。

デジタルカメラのダイヤル画像

デジタルカメラのダイヤル画像

  「ホワイトバランス」は太陽光に固定し発色傾向を統一する。「ピクチャースタイル」など色合いを決めるモードは、「ニュートラル」や「スタンダード」など階調性と誇張のない発色が特長のモードがおすすめ。また、撮影後、イメージ写真に画像加工したい場合は、RAWモードで撮影しておくと、高画質を維持したまま完成画像にできる。

ホワイトバランス太陽光で撮影

ホワイトバランス太陽光で撮影

ホワイトバランス白熱電球で撮影

ホワイトバランス白熱電球で撮影

(撮影 応用編に続く)

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