転車台で方向転換する実物の蒸気機関車C57形、蒸気機関車D51形や205系山手線電車の運転を楽しめるシミュレーター……。鉄道博物館は老若男女が楽しめる車両や展示で溢れている。実物の車両に加え、日本最大のHOゲージ模型鉄道ジオラマ(レイアウト)や、懐かしい昔の特急や寝台列車のヘッドマークなど貴重な資料も盛りだくさんだ。
館内の照明は暗く、三脚は禁止!
鉄道博物館を訪れたら、懐かしい車両や楽しい思い出を写真に残したいと誰でも思う。ところが鉄道博物館館内は照明の暗い場所が多く、ストロボなしで撮ると手ブレ写真になりがちだ。しかも三脚や一脚は使用禁止で、手持ち撮影が必須だ。ではストロボを使えばいいかと言うと簡単ではない。ストロボを使うと、手前だけ明るく写る、あるいは館内照明とストロボの色温度が違うため同じ車体でも色味が大きく変わり、展示されている雰囲気と異なったイメージになる。
鉄道博物館館内の照明下の手持ち撮影で、展示の雰囲気を活かした写真を撮るにはどうしたら良いのだろうか。カメラマンの三浦健司氏に、鉄道博物館で写真を撮るための機材とテクニックについて聞いた。
撮影に必要な機材は
鉄道博物館館内の撮影に向いた機種は、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフを問わず、高感度で手ぶれ補正付きのものがベストだ。デジタル一眼レフの場合、高倍率ズームレンズと組み合わせるのがお勧めだ。
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ズームレンズは、撮影位置に制限がある鉄道博物館で構図の自由度を高めてくれる便利なアイテムだ。例えばヒストリーゾーン全体の車両群を広角で、個々の展示車両のアップは望遠で、と言うようにレンズ交換なしで自在に画角を切り取ってくれる。レンズもこれ1本で済ませれば軽くて済む。
その他の機材
ストラップ
暗所撮影のテクニックで、カメラのストラップ(首からかけるタイプ)を撮影時の手ブレ防止に使用する。
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メーカー純正ストラップで撮影時の安定性が不足する場合は、幅広ストラップを使うのも手だ。リンク先のストラップは肩や首への負担を減らす立体的な裁断形状を採用し、ネオプレーンのクッションで使い心地がよい。
忍者レフあるいは黒布
鉄道博物館は、ガラスケース内に寝台列車のヘッドマークなど資料が展示されているコーナーもある。ガラス面越しに撮影する場合にガラスの反射をなるべく押さえたいなら、忍者レフや黒布を使うとよい。
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忍者レフはリンク先にあるように中心部の穴にレンズを通し、黒い面をガラス側に向け被写体を撮影する。裏面は白いレフ板になっている。
ガイドブック
車両や展示をじっくり見学し、混雑する運転シミュレーターなどのアトラクションを攻略するには丸一日かかる。ガイドブックで事前に情報を仕入れておくと、当日の行動プランも立てやすい。
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『てっぱくにいこう!―鉄道博物館完全ガイド』は展示車両すべてを紹介し、運転シミュレーターの操作方法も解説している。子供と一緒に行く場合は必携アイテムだ。
(「暗い場所でブレを押さえる撮影テクニック」へ続く)