『プロが教えるデジカメ撮影テクニック』の著者でプロカメラマンの三浦健司氏の担当になった新人編集者。ご時世を反映して、上司よりひとまわりも、ふたまわりも年上なのに“新人”! 最初に与えられた仕事は、バナー広告に掲載されている美味しそうなハンバーガーとお寿司を、もっと美味しそうに撮るにはどうすればいいのか、三浦カメラマンに話を聞いてこいということでした。第1回は“美味しそうなハンバーガー”でした。第2回は“美味しそうなお寿司”です!
光の効果を読む!
編集:ハンバーガーの撮影、ありがとうございました。続けて、お寿司もよろしくお願いします。
三浦:キミが気付いていないことをひとつ。グルーポンのバナー広告、もう1回見てごらん。
編集:はい、これですね。
三浦:何か気付かない?
編集:いえ、何も……
三浦:ええっとね、マグロとウニは右側から、イラクとエビは左側から光が当たっているよね。それも、右側、左側でもそれぞれ光源の位置が違う。
編集:えぇっと、それは……
三浦:マグロの持つ脂感、エビのツルとし清涼感、イクラの生き生きとした粒状感、ウニのころっとした丸み感。こういう“美味しさ”を演出するライティングをした一貫ずつを別々に撮影して、上手に組み合わせたのが、グルーポンのバナー広告。
編集:あぁ、なるほど。
三浦:“美味しそう”と思わせるには、ただシャッターを切ればいいっていうことじゃないんだ。それで、お寿司を並べて撮ってみたんだって?
編集:はい、撮ったんですが、そんな効果的なライティングは……
三浦:お寿司のライティングのコツは後で説明するけど、料理を撮影するとき、一番大切なことは、ライトの位置と適切な光量で、立体感と食感を表現しなければ、美味しそうには写らないっていうことなんだ。
編集:はい、それは分かっているのですが……
三浦:別にプロじゃないんだから、そんなにしょげることはないさ。それにしても、イクラはつぶれているし、エビもなぁ。
編集:そ、それは……
三浦:まぁ、いいや。“美味しい”っていうお寿司を撮ろう!
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人物、商品、生き物の魅力を引き出す96例 プロが教えるデジカメ撮影テクニック三浦 健司(著)アスキー・メディアワークス