また阿部氏はCPUとともに登場するCore 2 Duo対応のデスクトップパソコン向けチップセット“Intel G965 Express”を発表した。G965はプログラマブルシェーダーを大幅に強化したと言われるグラフィックス機能内蔵チップセットであり、Core 2シリーズとG965の組み合わせによる“Bridge Creek”プラットフォームによって、デジタルホーム向けプラットフォームも進化させるとしている。デジタルホーム向けプラットフォーム技術“Viivテクノロジー”を構成するプラットフォームソフトウェアも、Core 2シリーズとG965に対応したバージョンにアップデートされる。一方でノート向けCore 2 Duoは、既存のIntel 945GM/PM Expressシリーズのチップセットと組み合わせて提供される。
Core 2 Duoと新チップセット“Intel G965 Express”によるプラットフォームがもたらす利点 |
発表会にはゲストとして、(株)スクウェア・エニックス 代表取締役社長の和田洋一氏が登壇。一風変わった方向から、高性能CPUへのニーズについて語った。和田氏はE3 2006以降に日本で顕著になった、“ゲームには今以上の高性能は必要ない・高性能すぎて開発コストがかさみビジネスにならない”という意見に対して、ゲームの目指す方向性の多様化を認めつつも、“次世代プラットフォームへの取り組み”として緻密に描かれたCGを2点提示して、「リッチな体験していただくには、性能は不可欠である」と述べ、“リッチかシンプルか”の二項対立論に偏った見方を批判した。そして、ゲーム開発会社としてハイエンドへの方向性にギブアップすることはないと力説。リッチな体験を実現する強力なCPUの登場に歓迎を示した。
スクウェア・エニックス 代表取締役社長の和田洋一氏 | 和田氏が示した次世代のファイナルファンタジーシリーズをイメージしたCGの例。リッチなグラフィックスへのニーズが消えることはなく、それを体験するには高性能のハードウェアが必要という理にかなった論を披露した |
また同社が運営するMMORPG(大規模マルチプレイヤーRPG)『フロント ミッション オンライン』のベンチマークテストをPentium DとCore 2 Extremeで行なった結果を披露して、Core 2シリーズが実際のゲームでも優れた性能を発揮するとした。
“フロント ミッション オンライン オフィシャルベンチマークソフト”によるPentium D 940とCore 2 Extremeのテスト結果比較 |
2人目のゲストとして登壇した、(株)東芝 執行役上席常務 PC&ネットワーク社 社長の能仲久嗣氏は、Meromを搭載する製品として、家庭向けには“AVノートパソコン Qosmio”シリーズで、ビジネス向けには“Satellite”シリーズでCore 2 Duo対応製品を投入する予定を表明した。
Core 2シリーズでは、すでにCore 2 Extremeが秋葉原のパーツショップで販売を始めたほか、(株)サードウェーブが搭載製品の受注を開始するなど、すでに販売も始まっている。パソコンユーザーからの期待も高く、Core 2シリーズは今夏以降のパソコン・自作市場を席巻するCPUとなりそうだ。