低コストで外付けHDDを作るためのワンポイント!
PCケースとPort Multiplierカード「PM5P-SATA2」を使用して、外付けHDDケースを作る場合は注意が必要だ。それは、ケースに取り付けた場合にPC電源をオン/オフする方法がないからだ。
そもそも「PM5P-SATA2」は、外付けSCSIケースやストレージケースといわれるケースでの使用が前提の設計となっている。ストレージケースは、PCケースに搭載した電源と違い、マザーボードなどを介さなくとも電源のオン/オフができる。しかし、PCケースの場合は基本的にマザーボードを介して電源のON/OFFを制御するため、マザーボードを搭載していないPCケースに「PM5P-SATA2」を搭載しても、電源を制御する方法がない。ただし、PC電源は、20/24ピン電源コネクタの緑と黒のケーブルをヘアピンやクリップなどでショートさせれば、電源ユニット後部のスイッチでON/OFFできるのだが、ON/OFFのたびにわざわざ電源の後ろに手を伸ばすのは、かなり面倒だ。ストレージケースの価格は、秋葉原だと1万円台後半、オークションサイトでおおよそ1万2000円+送料となる。ある程度のコストをかけてもよい人は、電源オン/オフの手間を考えると、ストレージケースを購入したほうがいいだろう。
低コストで外付けHDDケースを作りたかった私は、電源スイッチを作ることにした。ちょうど、接続したATX電源をプッシュ式スイッチでON/OFFできる、アイネックス製のATX電源検証カード「KM-02A」があったのでこれを利用する。加工は簡単で、「KM-02A」に搭載されている電源スイッチに切り替え式のスイッチを新たにハンダ付けするだけだ。久しぶりにハンダごてを使ったのでちょっと手間取ったが、何とか使用できる物が完成した。もちろん、スイッチをむき出しで使用するのは危険、かつ見た目も悪いので、最後にケースの3.5インチベイのふたに穴を開けてスイッチを取り付けた。
PCがなくてもATX電源をON/OFF可能な、アイネックス製のATX電源検証カード「KM-02A」 | 「KM-02A」の基板の電源スイッチ部に、新たに切り替え式のスイッチをハンダ付けするだけだ |
ちなみに、プッシュ式のスイッチは1回押すことでショートした状態になり、もう一度押すことでショートしていない状態に戻る。このタイプのスイッチを採用しているPCケースなら、スイッチから出ているケーブルを20/24ピン電源コネクタの緑と黒のケーブルに接続すれば電源制御が可能となるので、コスト重視で作りたい人はこのタイプのケースを探してみよう。ただし、電源コネクタのピンはむき出しとなるのでホコリなどには注意して欲しい。また、このような改造は自己責任となることもお忘れなく。
スイッチをむき出しで使用するのは危険、かつ見た目も悪いので、PCケースの3.5インチベイのふたに穴を開けてスイッチを取り付けた。また、基盤とケーブルなどの接続部は、外れないようにホットボンドで固定した |
いろいろな使用方法を試したが、“Port Multiplier”機能対応の玄人志向製カード「PM5P-SATA2」を使えば、外付けHDDケースの新たな世界が間違いなく開けるといえる。 HDDを最大で5台搭載できることも魅力だが、リムーバブルケースを使用してホットスワップやOSの切り替えに使用したり、余っている複数台のHDDをまとめて活用したりと、用途はアイディア次第で広がるからだ。
●結論:高速な読み書き性能、最大5台搭載、ホットスワップ可能と文句なし。買うなら“Port Multiplier”対応ケースがオススメ。
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