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【T指令のパーツで遊ぼう!! No.6】久々に登場したS3製のGPUを搭載したビデオカードをチェック!!

2006年06月06日 18時32分更新

文● T指令

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T指令
【T指令プロフィール】小学生の頃から秋葉原に通う。その後は、自作パーツメーカーのサポートや秋葉原のパーツショップを転々とする。最近のマイブームは、ワットチェッカーであらゆる消費電力を計測すること

 1万円台半ばの価格で3D性能は“GeForce 6600 GT”と同等クラス。さらに低消費電力や2枚使用することでパフォーマンスアップも可能。魅力盛り沢山のS3 Graphicsの最新GPU“Chrome S27”を搭載したビデオカード「XIAiS27-DV128 DDRIII」がXIAiより発売された。S3 Graphicsの製品発表から半年間、私はその性能を試したくて心待ちにしていた。製品が手元に到着したので、さっそく検証中のパーツを片づけて最優先で“Chrome S27”搭載ビデオカードの検証を開始した。



今回の獲物は2枚差しも可能な“Chrome S27”搭載ビデオカードだ!

 今年も新製品が目白押しとなる季節がやってきた。とくに、6月6日~10日は、台湾の台北で毎年恒例の“COMPUTEX TAIPEI”が開催され、日本からも面白い製品を求めて企業やショップのバイヤーたちが商品を探しに行く。そんな“COMPUTEX TAIPEI 2006”開催前の5月中旬に、S3 Graphicsの最新GPUを搭載したビデオカードが、XIAiより登場した。発売されたのは“MultiChrome”と呼ばれるnVIDIAの“SLI”やATIの“CrossFire”と同レベルのマルチGPU技術に対応する“Chrome S27”を搭載した「XIAiS27-DV128 DDRIII」と、非対応の“Chrome S25”を搭載する「XIAiS25-DV256DDRII」の2種類だ。“Chrome S20”シリーズは、S3 Graphicsより昨年11月頃に発表され、同等性能のビデオカードと比較して、低消費と低発熱となる点や“MultiChrome”動作などの点で私を魅了した。さらに、“SLI”や“CrossFire”のようにチップセットレベルでの対応は不要で、PCI-Express x16スロットが2本あれば動作する点もうれしい。というわけで、今回は“MultiChrome”動作に対応しているXIAi製「XIAiS27-DV128 DDRIII」を使用して、1枚のときと2枚使った“MultiChrome”動作を試すことにした。「XIAiS27-DV128 DDRIII」はコア/メモリクロックが700MHz/1200MHzで、ビデオメモリはDDR3の128MBを搭載する。下位モデルとなる「XIAiS25-DV256DDRII」はコア/メモリクロックが500MHz/700MHzで、DDR2の256MBを搭載したファンレス仕様だ。ともに最大1080pのHDTV出力に対応している。本題とは無関係だが、ゲーム関連展示会の“E3 2006”で製品仕様が発表された「PlayStation3」も、標準でフルハイビジョンの1080pに対応している。

「XIAiS27-DV128DDRIII」
“Chrome S27”を搭載するXIAi製「XIAiS27-DV128DDRIII」。搭載メモリはDDR3 128MB、コア/メモリクロックは700MHz/1200MHz。ヒートシンクにファンを搭載する

まずは素材の下ごしらえをしよう!

 さっそく検証を開始しよう。今回の検証環境は、CPUにAMD製「Athlon64 X2 4800+」(デュアルコア搭載/動作クロック2.4GHz/L2キャッシュ1MB×2)、マザーボードはASUSTeK製「A8N-SLI PREMIUM」を使用する。
 ベンチマークソフトは“3D Mark 05”、“3D Mark 06”、“FINAL FANTASY XI Vana'diel Bench3”(HIGH設定/以下FFベンチ3)、“大航海時代 Online”のベンチマークソフト(1280×1024 32bit/グラフィックは最高に設定)、“DOOM3”の「Timedemo」(1280×1024/HIGH QUALITY/VERTICAL SYNCはOFF)の5種類で計測を行なうことにした。
 今回は3D性能と消費電力を比較するために、1万円台前半から2万円程度で販売されているビデオカードを別に用意した。まず、1世代前の製品となるが、まだまだ現役のnVIDIA“GeForce 6600”搭載のLeadtek製「WinFast PX6600TD 128MB」を確保。本当は、“GeForce 6600 GT”を使用したかったのが、時間的に間に合わなかった。「準備を怠った訳ではないですよ」と言い訳。そして現行の“GeForce 7600 GS”を搭載しているLeadtek製「WinFast PX7600 GS TDH 256MB」も用意した。ATI製ビデオカードからは、SAPPHIRE製「RADEON X1300 PRO 128MB」と、アスクより借りていたPowerColor製「RADEON X1600 XT 256MB」を選択した。以上のビデオカードで各種ベンチ結果と消費電力を計測する。ちなみに“RADEON X1600 XT”搭載ビデオカードは、実売価格2万円台前半となるが、あえて2万以上の製品として計測することにした。「たまたま手元にあっただけ」ともいう。

テスト環境
CPU:AMD「Athlon64 X2 4800+」(2.4GHz)
メモリ:A-DATA「DDR500(PC4000) 512MB×2」
マザーボード:ASUSTeK「A8N-SLI PREMIUM」
ビデオカード:XIAi「XIAiS27-DV128 DDRIII」(PCI Express x16)
XIAi「XIAiS25-DV256DDRII」(PCI Express x16)
PowerColor「RADEON X1600 XT 256MB」(PCI Express x16)
Leadtek「WinFast PX6600 TD 128MB」(PCI Express x16)
HDD:Seagate「ST3160812AS」(160GB SerialATA)
光学ドライブ:東芝「SD-M1612」
電源:ANTEC「TRUEPOWER2.0 550W」
OS:Microsoft「Windows XP Professional SP2」

 しかし、ベンチ計測中に問題が発生した。「RADEON X1300 PRO 128MB」が、ベンチマーク中にフリーズすることが判明したのだ。“3D Mark 06”は完走するのだが、“3D Mark 05”と“FFベンチ3”はフリーズするという、判断に困る微妙な症状が出る。ドライバはビデオカードを交換する都度、OSをセーフモードで起動して削除を行なったため、ドライバが原因の可能性は少ないはずだ。もしかしてマザーボードが壊れた?と思い「RADEON X1600 XT」に交換してベンチを実行すると全然問題がない。ということは、ドライバやベンチマークソフト、DirectXも問題ないだろう。こうなると、原因はOSか「RADEON X1300 PRO」のどちらかになる。別環境を新たに用意するのは大変なので、OSを再インストールしたが、またもフリーズ……。「ビデオカードが壊れている」という結論に達し、思わずため息が出る。やむをえず、今回の比較対象から“RADEON X1300 PRO”は除外した。ただ、【T指令のパーツで遊ぼう!! No.5】で、同じ環境で計測した“3D Mark 05”と“3D Mark 06”のベンチ結果があるので、そのデータを使用してグラフ作成しよう。
 検証準備に手間取ったが、待望の「XIAiS27-DV128 DDRIII」を取り付けて、ドライバをインストールしてみた。ドライバは、CDに添付していたバージョンが“V15.18.05h”だったので、S3 Graphicsのウェブサイトより、2006年4月24日更新の“V15.18.05m”をダウンロードしてインストールした。ちなみに添付CDには、2007年1月登場予定の次期OS「Windows VISTA」用のドライバがすでに入っていた。インストール中は、久しぶりのS3製ビデオカードなのでちょっとドキドキしていたのだが、意外にもすんなりと完了してしまった。「ちょっと物足りないな~」と、何かしらのトラブルを期待していた私はすでにトラブル中毒者なのか!?(次ページに続く)

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