画質に関しては、FinePixシリーズならでは高彩度の絵作りとなっており、エッジの立ったシャープな印象を受ける。ただし、F601と同様に6Mモードではグラデーション部などに補間処理に起因すると思われるノイズが載る傾向にあるため、気になる人は3Mモード(2048×1536ドット)で使う方がいいだろう。
撮影サンプル1。元画像は1536×2048ドットだが、480×640ドットにリサイズ/640×480ドットにトリミングして掲載。マクロモードで撮影。花などを撮影すると少々強めのエッジ表現により細部が明確で出て気持ちがいい。 |
撮影サンプル2。元画像は1536×2048ドットだが、480×640ドットにリサイズ/640×480ドットにトリミングして掲載。階調表現もよく、ハイライト部からダーク部へのグラデーションも滑らかなものとなっている。 |
撮影サンプル3。元画像は1536×2048ドットだが、480×640ドットにリサイズ/640×480ドットにトリミングして掲載。望遠側で撮影。FinePixシリーズならではの明るく鮮やかな色表現は、人工的な彩色(この場合は背景の遊具)が目立ちすぎるきらいがある。 |
実際に利用してみても、全体的な操作レスポンスがよくフォーカスも速く、使い勝手は良好だ。高速連写により、シャッターチャンスを逃すことも少ないし、露出ブラケット撮影を多用できるため撮影ミスも極力回避できる。従来機に比べて特に重宝するのが“CF TypeIIスロットの搭載”で、128MBというスマートメディアの上限を超えるメモリカードが使えるため大量の撮影時には大いに助かる(340MB/1GBのmicrodriveのみ正式対応)。
一眼レフタイプと違ってレンズ交換ができない本機のようなデジタルカメラでは、1台でさまざまな用途に使うために必然的に高倍率ズーム搭載機が求められる。ソニーの「Cyber-shot DSC-F707」やミノルタの「DiMAGE 7i」、ニコンの「COOLPIX 5700」などは、そういった需要あっての機種だが、デュアルスロットや高速なAF、強力な連写機能を備えるFinePix S602は、各社が力を入れる製品群の中でも一際高い魅力を発している。
FinePix S602の主なスペック | |
製品名 | FinePix S602 |
---|---|
撮像素子 | 1/1.7インチ有効310万画素CCD(第三世代スーパーCCDハニカム) |
レンズ | 光学6倍ズーム、f=7.8~46.8mm(35mmフィルムカメラ換算:35~210mm相当)、F2.8 |
記録媒体 | スマートメディア/microdrive(CF TypeII) |
記録画素数 | 2832×2128(補間)/2048×1536/1280×960/640×480ドット |
液晶モニタ | 1.8インチ低温ポリシリコンTFT(11万画素)/0.44インチ(18万画素液晶ビューファインダ) |
動画記録 | 640×480/320×240ドット(30fps)、Motion JPEG準拠AVI形式 |
シャッター速度 | 15~1/10000秒 |
絞り | F2.8~11(13段) |
インターフェイス | USB、AV出力、DC入力 |
電源 | 単3電池×4本(アルカリ乾電池/ニッケル水素充電池) |
本体サイズ | 121(W)×97(D)×81.5(H)mm |
重量 | 約500g(本体のみ)/約600g(装備重量) |
競合製品レビュー
ミノルタ「DiMAGE 7」レビュー | ミノルタ「DiMAGE 5」レビュー | |
ソニー「Cyber-shot DSC-F707」レビュー | 富士写真フイルム「FinePix6900Z」レビュー |