元祖超小型ベアボーン「Cube-24」の登場から早4カ月以上が経過し、追随する他社からも同コンセプトの製品が出る一方で、待ち望む声が多いにもかかわらず実現しなかった“超小型ケースの単品販売”。歯がゆい思いをしていた人も多いだろうが、ついに待望の超小型アルミケース単品発売が決定した。
名称未定の超小型アルミケース |
2月下旬に2万円台前半の予定として発売を予告しているのは、台湾Shuttle製のCube-24を世に送り込んだエムシージェイ。同社オリジナル製品だというプロトタイプ(製品名未定)を見てみると、200(W)×295(D)×200(H)mmという直方体のサイズはCube-24より若干大きめ。ただし比べてみると分かるように、星野金属工業(ソルダム)製「Pandora」のような“大きい”印象はなく、単品で置いてみるとCube-24との差はほとんど感じられないと言ってもいいほどだ。それほどコンパクトにまとまっていながら、ドライブベイは5インチ×2、3.5インチ×1、シャドウ×1を用意するのはかなり魅力的と言えるだろう。
Cube-24(左)との比較。5インチベイが1つ増えたにしてはかなり小さい |
フロントパネルは薄いブルーのアクリル板になっているが、これは製品版ではクリアタイプになる予定。また、向かって右下に配されていて使いづらそうな印象を受ける電源ボタンは別の場所に移動する方向で検討中だという。気になるのはドライブベイが向かって右側に若干ズレていることだが、これはケース背面に回ってみると納得。正面向かって左側にPCIカード用のスペースが1本確保されているため、このようなデザインになっているわけだ。
背面に回ってみると、標準サイズのPCIカード用スペースが確保されているのが分かる。なお、電源コネクタ横に見えるのは排気ファン×2 | 側面から。PCIカード用スペースはケース前面までゆったりと確保されている。ビッグサイズのハードウェアビデオキャプチャカードも装着可能?! |
電源は230WのPentium 4対応電源を搭載。また、Pentium 4の発熱に配慮してケース背面部には排気ファンを2基用意している。問題は、幅200mmというサイズではPentium 4対応FlexATXマザーボードであるASUSTeK製「P4S333-FX」や「P4B-FX」を搭載できない点だが、エムシージェイによれば、この問題に対処すべくShuttleでは現在「FV50」(仮名)というPentium 4対応マザーボードを開発中とのこと。現在判明しているのはおおよそのデザインを示す実物大のペーパーのみで、チップセットすら明らかになっていないが、ビデオ出力やIEEE1394、RJ-45、USBにサウンド入出力と、今回も豊富な機能を詰め込んだマザーボードに仕上がるもよう。ペーパーを見る限り、Pentium 4のすぐ上に3.5インチドライブベイが来る格好となるためリテールクーラーを取り付けるのは不可能であり、このため「おそらく専用のCPUクーラーを同梱することになる」(エムシージェイ)という。
「FV50」(仮名)の実物大ペーパー。かなり特殊なボードレイアウトだ。向かって左下には型番らしき“FS50V1.0A”という文字も読みとれる | このケースのため特別にあつらえたマザーボードだけあってぴったりおさまる。なおエムシージェイではFV50(仮名)を標準搭載した「Cube-50」(仮名)の投入予定もあるという | リテールクーラー装着不可能なのは疑いようのない高さ制限 |
Pentium 4の発熱対策と思われる空気穴が側面に用意されているあたり、ベースはほぼ固まったものと見ていいかもしれない |
FlexATXマザーボードならすべて利用可能というわけではないため、利用できるのは今後登場予定のFV50(仮名)をはじめ、既存の製品であればShuttleやFreetech製など一部のマザーボードに限られてしまうのは事実。だが、その制限をつけたおかげでこのサイズにおさまったのも事実だ。世界最小のPentium 4搭載PCを組むか、あるいは余ったCPUでサブマシンにするか。ベアボーンキットよりさらに自由度が増した超小型ケースが注目を集めるのは間違いないだろう。なお、今回紹介したものはあくまでプロトタイプ。製品版で仕様が変更となる場合があるのには注意が必要だ。
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