“今年こそは新型インフルエンザが大流行か?”など、パンデミック(疫病の爆発的流行)に対する危機感は、年々大きくなっている。
また、パンデミックに限らず災害時の企業対応に関しても、「事業継続マネジメント(BCM)」なるキーワードが飛び出すなど世間的な関心もひとしおだ。事業継続マネジメントとはつまり、新型インフルエンザに限らず、大地震や火災、テロ、不測の事態で企業活動が滞った場合の、活動再開に向けた施策である。
本日発表になったWebグループウェア「desknet’s」の新バージョン「desknet’s Ver.7」は、目玉機能としてなんと、災害・緊急時の「安否確認機能」を搭載してしまった。従来の安否確認システムは、専用のソフトを導入しなければならないため、大企業の利用に限られてきたきらいがある。ところが今後は、5~1000人規模の企業をターゲットとしたdesknet’sへの搭載によって、一気に普及する可能性もあるわけだ。
desknet’s Ver.7の安否確認機能の具体的な流れは、
- 緊急時になるとdesknet’sユーザーの携帯電話に安否確認のメールが送られる
- ユーザーはメールに書いてある安否確認専用URLにアクセスして、ステータスを入力
というもの。「プライベートの携帯メールアドレスを会社に知られるのはイヤだ」というユーザーも多いはずだし、プライバシーの問題もはらんでいるが、安否確認リストに登録する個人所有の携帯電話情報に関しては、通常時は秘匿されているので安心だ。
ガジェット/ブログパーツで「マイ仕事ポータル」を作れる
安否確認機能以外で目立つdesknet’s Ver.7の新機能は、「新ポータル機能」だ。これは、desknet’sのユーザー画面を、個々人が自由にカスタマイズできるもの。
Ajaxによって、ドラッグ&ドロップで個々のコンテンツの位置を自由に組み替えられるほか、インターネット上に公開されているガジェット/ブログパーツを組み込めば、ユーザーごとに使いやすい「マイ仕事ポータル」的なページが作れる。またガジェット/ブログパーツに関しては、「我が社の売り上げ推移」など、自社製パーツを作って配布するといった使い方もできる。ガジェット/ブログパーツは、組み込みの可不可を設定できるから、企業の運営ポリシーが犯されることはない。
また、企業防衛的な機能として「アクセスログ機能」を強化した点にも触れておきたい。従来からdesknet’sにはアクセスログの集計機能が提供されていたが、Ver.7からは内部統制に関連し、情報漏洩対策としてdesknet’s上のほぼ全ての操作をユーザーごとに管理できるようになった。たとえばファイルのダウンロードや、資料のCSV形式でのエクスポートを監視すれば、万が一事故が起きた場合も監査といった面で不正の証跡をたどれることになる。
これらの新機能に加えて大きいのはiPhone対応だが、これについては関連記事を参照いただきたい。
ライセンス価格は、従来と同じく5ユーザー4万1790円から。対応サーバOSはWindows Server系、Linux系、Solaris8、9、10などだが、Ver.7からはCentOS 5.1、5.2にも対応した。詳しくは同社のWebページを参照いただきたい。
desknet’s向けのFAQパッケージも発表
desknet’s Ver.7と同時に、FAQサイト構築パッケージ「desknet’s FAQ」も発表された。
これは、Yahoo!知恵袋や、教えてgooのようなFAQサイトを、自社で構築できるというもの。社内のナレッジ蓄積に活用してもいいし、顧客向けの製品情報データベースとしても活用できる。特徴は権限設定の機能だ。たとえば社外向けにFAQを公開した場合、一般ユーザーが回答を寄せる場合もあるが、その際に承認しないと回答を公開できないようにしたり、回答者のステータスを「専門家」「体験者」といった具合に階層的に管理可能だ。
また、トラフィック分析機能が付いているので、FAQの重要度を推し量ったコンテンツ展開も考えられよう。
同ソフトは、desknet’sの「サポートサービス特典」として提供される。具体的には、desknet’s新規導入者(1年間の無料サポートサービスが付属する)と、既存ユーザーのサポートサービス申込者に対して、モジュールと製品IDが付与される形となる。
このFAQ、今回紹介したdesknet’s Ver.7にガジェットとして組み込めるのも、ポイントである。