世界で累計1900万ユーザーが使うBlackBerry。日本でも2006年に「BlackBerry 8707h」が導入されて以来、外資系の金融業などを中心に導入が進んでいる。六本木など、街中のカフェで利用している様子を見かける機会も多くなった。今回は9月末日に発表された「BlackBerry Bold」を見てみよう。
UMPCに迫る機能性を持つスマートフォン
BlackBerry Boldは、日本に導入される2代目のBlackBerryだ。発売時期は未定だか「2008年度のできるだけ早い時期に、お手頃な価格で提供したい」と語るのは、NTTドコモでスマートフォン事業を担当する三嶋俊一郎氏。
BlackBerry Boldは、HSDPAやWi-Fiだけでなく、FOMAエリアプラスにも対応。海外で使えるのはもちろん、日本国内での接続性もFOMA端末に引けを取らない。特にビジネスで活用するなら、日本でつながらない場所がないことは極めて重要である。そのほか、カメラなしの端末も用意され、日本向けの対応はソフトだけでなくハード面でも手厚い。
ソフト面も8707hより進化している。今までの8707hは英語版を日本語版に載せ替えたため、処理能力の力不足を感じさせる瞬間があった。しかし、今回のBoldは、多言語OSが前提で開発されている。プロセッサー能力が向上し、言語処理は極めてスムーズな印象を受ける。フォントの表示もキレイで、メールなどはとても読みやすい。予測変換の辞書も通常のFOMA端末の1.5倍、収録したそうだ。
またマルチメディア機能も充実している。音楽再生や動画の再生、動画のストリーミングに対応。microSDスロットを搭載しているため、16GBの内蔵ストレージに拡張できる。さらに、iTunesのライブラリーとシンクして、パソコンの音楽を持ち出せるようになった。これはiPhoneのお株を奪うような機能とも言える。
端末は横幅こそ66mmあるが、厚さは15mmと8707hよりも4.5mm薄くなった。予想以上に美しい横長のディスプレイと使いやすいトラックボールのインターフェース。キーの形状に工夫を凝らした打ちやすいフルキーボードや背面の皮っぽい素材感など、とても上質で使いやすい端末に仕上がっている。機能だけでなく使い勝手やデザインで選んでも、ユーザーに受け入れられそうな端末、それがBlackBerry Boldである。
ドキュメントの簡易編集機能なども備えており、ケータイやスマートフォンだけでなく、昨今人気のUMPC/Netbookとも対等に渡り合える存在と言っても過言ではないだろう。
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