Xbox LIVEの楽しさ、利点は「簡単さ」
――Xbox LIVEはオンラインサービスとしては他社と比べて非常に先行していますが、Xbox LIVEの独自性はどういった点にありますか?
泉水 まず「簡単にオンラインが楽しめること、そしてスムーズに世界中の人と遊びを共有できる」というのが1番大きなポイントです。その裏側には、安全性や信頼性が大きく貢献していると考えています。私たちもこの点は最重要事項として、日々取り組んでいます。
安全な環境に簡単に入れて、そこでリッチなゲーム体験ができるのが大きな特徴です。実際に遊んでもらえば簡単にご理解いただけるのですが、この部分は言葉で言ってもわかりにくいのが問題です。そのため、「この楽しさをどうお伝えするか」が我々の大きな課題となっているのです。
――Xbox LIVEの楽しさは、やっぱり友達と一緒に遊ぶのが一番ですね。
泉水 そのとおりですね。そういう意味では今のXbox 360の好調の裏には、ユーザーの方々がハードを持っていないお友達に薦めてハードを購入してもらい、Xbox LIVEの世界に招待するというケースが増えてきています。実際、友達にXbox 360を薦めてくださったり、「いま一緒にXbox LIVEを楽しんでます!」といった声も多く聞いています。
――私もXbox 360を持っていますが、ゲーム好きの友達に同じようにXbox 360を買ってもらってフレンド登録をしています。
泉水 やっぱりコミュニティーという概念をゲームの世界に最初に持ち込んだのはXbox LIVEだと自負しています。世界中で数多くのユーザーの方が利用しているので、どんな時間でもマルチプレイを楽しむことができます。ほぼ全世界といえる規模で、プレイヤーが存在しており、気軽にゲームを楽しめるというのは最大の特徴です。「楽しさ」という部分はなかなか伝えにくいのですが、だまされたと思って1度やってみて欲しいですね。
Xbox LIVEを介した各サービスの展開とは
――パブリッシャー視点で言うと『アイドルマスター』の例のように、Xbox LIVEを介したダウンロードコンテンツの提供・販売というのは非常に魅力かと思いますが、このことに対してのお話を聞かせてもらえますか?
泉水 日本では特に「アイドルマスター」がダウンロードコンテンツとしてある意味オバケ化していますが、ほかのコンテンツでも順調にビジネスとして拡大しています。海外展開の可能性もXbox 360の魅力のひとつですが、既存のソフトに付加価値をつけるようなオンラインのダウンロードコンテンツもXbox 360らしいサービスではないかと思います。この市場自体はここからまたさらに拡大していく可能性秘めていると感じています。
(C)窪岡俊之 (C)2003-2008 NBGI
――XNA Game Studioも、Xbox 360らしい新しいサービスのひとつと考えてよろしいでしょうか?
泉水 ユーザーがXNA Game Studio(以下、XNA)で制作したソフトをXbox LIVEを介してXbox 360で遊べるようにする「Xbox LIVE コミュニティーゲーム」も含めて考えると、新しいサービスのひとつだと言えるかもしれません。コミュニティーゲームの仕組みはパソコンのシェアウェアみたいなものです。一般のユーザーがXNAで開発したゲームをXbox LIVE上にアップロードしてユーザー同士の審査に通ると、一般のユーザーが購入できるような仕組みになっており、売り上げの約7割程度が作った方に支払われます。
実際にコミュニティーゲームを作るコミュニティーや、遊ぶコミュニティーがどう発展していくかは、完全にユーザーに委ねられています。この「Xbox LIVE コミュニティーゲーム」を通して、有望なクリエイターが登場し、開発者のすそ野を広げて行ければと思っています。
――近々大型のアップデートが予定されておりますが、そのポイントを教えてもらえますか?
泉水 次回のアップデートは、インターフェイスをはじめ、あらゆる体験を変化させる内容となっており、Xbox 360自体を生まれ変わらせるような大型のアップデートです。コミュニケーションをより快適にするためにアバターを提供しますし、そのアバターを使って、コレまでになかった複数の方々でお話をして一緒にひとつのゲームを遊んだり、自分で撮った写真を一緒に見たりと、いろいろなことができるようになります。これらの体験を友達と共有する場を作るうえでも非常に重要な要素になっています。
――今までのものとアバターを利用したインターフェイスとの根本的な違いはどこにあるのですか?
泉水 やっぱり自分の表現の方法がさらに多様化することだと思いますね。見た目のカスタマイズやリアクションなども可能です。今まででも、ボイスチャットやビデオチャットでの、高いレベルでのコミュニケーションが可能でしたが、だからといって必ずしも自分が表現したいものが、的確に伝えられるわけではありませんでした。今回のアバターの採用は、オンラインコミュニケーションの自己表現の方法としてかなり大きな変化を感じられると思います。
――海外ではビデオの配信が始まっていますが、日本ではどうなんでしょうか?
泉水 日本での展開はいまのところ未定です。当然我々としてはビデオの配信などに関してはできるだけ早くに日本でも展開できるよう準備を進めて行きたいと思っています。
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