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Xbox 360はどう変わるのか? キーマン泉水氏に聞く!

2008年10月07日 22時00分更新

文● 内田幸二(聞き手) 撮影● 高野裕靖

Xbox 360

「Xbox 360」

 9月11日に本体の価格改定を行なって以来、9月28日集計分まで週間販売台数が1万台以上とこれまでになく好調なXbox 360。これまでの累計販売台数は約72万台と、他社据え置き機に大きく差を付けられてはいるものの、勢いとしては間違いなくトップクラスと言える。また、欧米での普及台数をベースに国内でも日本のメーカーからの意欲作が続々と発表・発売されているのが現状だ。今回は、そんな大躍進のXbox 360を統括するマイクロソフト(株) 執行役 ホーム&エンターテイメント事業本部長の泉水 敬(せんすい たかし)氏にお話を伺った。

本インタビューは9月24日に収録されたものです。


現在の流れは6月のRPGプレミアから

――本体の値下げをしてから好調だと思うのですが、手ごたえはいかがですか?

泉水氏

ホーム&エンターテイメント事業本部長の泉水氏

泉水氏(以下、敬称略) Xbox 360本体の週間販売を見ても、Xbox 360の勢いが実感できたのは実はもっと前からのことなんです。実際には6月に日本市場に向けたRPGタイトルの発表会「RPGプレミア」(関連記事)を行なったことで、6月後半以降の販売に手応えが出てきました。みなさんご存知の通り、7月のE3、そして8月の「テイルズ オブ ヴェスペリア」の発売、さらに9月11日から行なった本体の価格改定で盛り上がりが続いているという状況ですね。

――仕込みの段階ではどの辺りから、手応えを感じていましたか?

泉水 当然、我々が発売しているソフトもそうですが、日本のゲームメーカーさんから多くのタイトルが発表されました。そういった幅の広いゲームラインナップに対するユーザーの反応が直接聞こえてくる中、徐々に手ごたえを感じています。

6月に行なわれた「RPGプレミア」では、「ラスト レムナント」のXbox 360先行発売が発表されたほか、「スターオーシャン4」の対応ハードがXbox 360であることも明らかになった

――これまでのXbox 360の歩みの中でどの辺りがターニングポイントになったと思いますか?

泉水 まず初代Xboxでマイクロソフトは初めて家庭用ゲーム機に参入し、いろんな試行錯誤をしてきました。それは、製品の設計や販売のプロモーションなど、いろんな意味で試行錯誤でした。そんな経験の積み重ねが、今に繋がる良い勉強になったと思っています。
 2005年にXbox 360を発売したわけですが、そういったこれまでの経験が、今につながっていると思っています。そのため、私から見ると「劇的なターニングポイントがあった」というよりは、「いままで積み重ねてきたことが、少しずつ結果に繋がりはじめている」と感じています。それが、ここ1年ぐらいの傾向だと思いますね。

 そういう意味では、「手応え」の部分は、去年から感じていました。「ブルードラゴン」や「ロスト オデッセイ」といったタイトルを自社で準備して、日本のみなさんにXbox 360の価値を見いだしていただくための努力を続けてまいりました。いま感じている手応えはその次のステップで、パートナー企業の皆様と共に行なってきた努力が今の結果に繋がっていると思っています。


――国産RPGを強くアピールしている印象を受ける現状、本来コアなXbox 360ユーザーは、どちらかというと海外の本当に面白いゲームや「実績」といったゲーム的なシステムを非常に評価していると思うのですが、そういったユーザーに対してのアピールはどう考えてますか?

泉水 初代Xboxから受け継いでいる流れのひとつに、「良質な海外タイトル」の発売というのがあります。海外タイトルの品質もよりいっそう上がっていますし、遊んでみていただければ新鮮な感覚を味わっていただけると思うんです。ただ初代のときは、日本製タイトルが非常に少なかったため、バランスが悪かったのも事実です。
 そんな反省をふまえて、Xbox 360では、国内製と海外製の両方をきちんとバランスよく配分し、さまざまなジャンルを揃えて、ユーザーの方々により魅力あるプラットフォームであることをアピールできるようなラインナップを心がけています。

 今年の後半は、日本のメーカーさんからRPGの発売が続いて出ますが、RPGは日本で一番人気の高いジャンルでもあるので、日本市場でのこのジャンルのタイトルを充実させるのは必然的なことなのです。この良い流れを引き継いで、RPGを含めた国産のゲームもゲームがきちんと定期的に出てくるようなプラットフォームとしてアピールしたいと思っています。

 もちろん、従来から行なっている欧米の良いタイトルを日本に紹介するというのもいままで通り継続していきます。オンラインでのプレイ状況をみても、欧米の良質なタイトルは、息の長いタイトルとして、非常に長い期間遊んでいただいていますので、初代Xboxから受け継いだ「良質な海外タイトル」は、しっかりと守っていきたいと思います。

――海外のユーザーからは日本のタイトルはどのように見えているのですか?

泉水 ゲーム市場を世界的な規模でみた場合、拡大傾向にあるのは北米や欧州でしょう。市場の拡大の原動力になっているタイトルには、当然日本のタイトルもありますが、過去と比べると欧米のタイトルが台頭してきています。欧米のゲーム会社さんも、以前にも増して非常に良いタイトル出しているのが実態です。
 ただ、マイクロソフトとしては以前のように日本製ゲームが再び世界市場を賑わせビジネスを拡大できるようにお手伝いしていくのも、我々の役割だと思っています。実際にXbox 360は海外に強く、多くのユーザーさんがいて、日本のメーカーに十分なビジネスをしていただける土俵が存在しているのです。

(次ページへ続く)

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