玄人好みの商品企画で、一定の支持を得ているリコー。24mm相当の広角撮影にこだわった単焦点機「GR DIGITAL II」、光学3倍ズームを搭載してより守備範囲の広い「GX200」などプレミアム・コンパクトを標榜した機種が人気だ。
広角・望遠、両方の楽しさを1台のボディーで
その下位モデルとして手軽さを重視したRシリーズだが、2003年発表の「Caplio G4 wide」以来、同社ではもっとも早くから広角撮影への対応を打ち出した機種でもある。
本日発表された「RICOH R10」は、今年2月に発表された「RICOH R8」(関連記事)の後継機種。
RICOH R8ではCaplioのブランドを止め、GRシリーズなどと共通する無機質で実用的な道具というイメージを前面に押し出したブランディングとした。この点がユーザーに支持され、高倍率ズームや広角対応といった従来からの訴求ポイントに加え、デザイン面でも高い評価を得たという。
RICOH R10では撮像素子や28mmからの光学7.1倍ズームなど基本的な部分はRICOH R8を継承。一方で背面の液晶パネルを3インチ(約46万ドット)に大型化し、ホールディング性を左右するグリップも大型化。さらに電子水準器など、GR DIGITAL IIやGX200などで培った撮影機能も多く搭載している。
マイナーチェンジながら、こだわりの機能を
このように、カメラの使い勝手を高める細かな機能の追加が中心だが、エントリーからマニア層まで、より裾野の広さを感じさせる製品となった。
主な改良ポイントとしては下記の通り:
- 液晶パネルの大型化(3インチHVGAに)
- 電子水準器の搭載
- マクロ撮影時に、画角に合わせた最短撮影距離を表示
- 明暗差の激しい被写体に有利な自動レベル補正機能
- フラッシュ調光補正
- 失敗しにくい設定を自動的に選ぶイージー撮影モード
- 特定機能の呼び出しに便利なFnボタン
- 最大3枚の画像をワンタッチで呼び出せる「画像クリップ」
このうち、最短撮影距離表示は、レンズのズーム位置で何cmまで寄れるかを表示する機能。マクロ撮影は広角側で1cm、望遠側で25cmまで寄れるが、この機能により、ズーミングの途中の最短撮影距離も分かる。Fnボタンの機能は撮影モードごとに異なるが、イージー撮影モードでは逆光補正とマクロターゲットの切り替え、オート撮影モードではこれに絞りやブラケティング設定などが加わる。画像クリップは、地図や時刻表などメモ用途に便利だ。
これ以外の機能に関しては、基本的にR8と同様。カラーリングに関しては、ブラック、シルバーに加え、ブラウンが追加された。サイズと重量は変わらない。電池寿命はCIPA測定基準で300枚に増えた。価格はオープンプライスで、店頭での販売価格は5万円前後になる見込み。