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トラディショナルデザインに生まれ変わったリコーの普及型デジカメ 「RICOH R8」

2008年03月12日 09時00分更新

文● 行正和義

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 (株)リコーの普及型デジタルカメラとしては従来“Caplio”(キャプリオ)シリーズがあり、独特の横長ボディーと広角に強いレンズが特徴だった。「RICOH R8」(関連記事1)は、Caplio Rシリーズの流れを汲む製品で、2007年発表の「Caplio R7」(関連記事2)の後継・上位モデルに当たるが、本機から同社のデジカメ製品ではCaplioの名前を廃して、よりシンプルなネーミングとなった。

リコーのRICOH R8

リコーの「RICOH R8」

リコーのCaplio R7

前モデルに当たる「Caplio R7」

 ボディーデザインも一新し、無駄な曲面の多用は避けたシンプルなラインとなった。金属パネル1枚構成の上面やフラットな前背面、両端もシンプルな円筒形になっているなど、銀塩35mmコンパクトカメラのクラシックなモデルにも似た雰囲気となっている。

 CCDシフト方式の光学式手ぶれ補正機能の搭載や広角28mmからの光学7.1倍ズームレンズなどのスペックは従来機R7を継承しているが、撮像素子が1000万画素へと高画素化したことに加えて、背面の2.7インチ液晶ディスプレーが46万画素(ハーフVGA相当)に高精細化したのは大きな特徴だ。

RICOH R8の前面

シンプルな直線で構成されたボディー。レンズ周囲のリングはGXシリーズを連想させるが、コンバージョンレンズを装着する機能はない。ブラックのほかシルバーのカラーバリエーションも用意され、ボディーのシルバーに対して黒いグリップのラバー部がアクセントとなっている

背面

カーソルキーとジョイスティックが一体化したコントローラーを採用したため、操作系はシンプルとなった。液晶画面に表示しているのはADJメニューで、コントローラーをワンプッシュすると表示。最大4つまで登録できる

 外観的な違いはデザインだけでなく、操作部にも改良が施されている。従来Caplio Rシリーズではカーソルキーを中心としたメニュー操作のほかに、“ADJボタン”という独立したボタンで呼び出せるクイックメニューが用意されていた。R7からADJボタンは上下左右への方向入力の機能を持つ“スティック”となり、呼び出したクイックメニューを即時選択・決定する操作がスムーズに行なえるようになった。本機ではさらに、ADJボタンがカーソルキーと一体化して操作系は大幅にシンプルになった。操作性そのものは大きく変わっておらず、ADJボタンを押せばADJメニュー(設定によって露出補正やISO感度などから4つまで登録可能)を呼び出し、そのままスティック操作で選択・決定する。メインメニューはADJボタンのMENU機能で呼び出し、ADJボタンの方向入力を使って選択・決定するだけだ。従来カーソルキーの4方向入力にアサインされていたマクロモード、フラッシュモードの切り替えは、そのままADJボタンの左右に移動している。同社ハイエンドデジカメの“GR”シリーズでもADJレバーと呼ばれるダイヤル状の入力装置があるように、同社のデジカメに共通する操作コンセプトであり、他社製品でもカーソルとスティックを両方持つ製品はあるものの、やはり背面に2系統の方向入力デバイスが付いているのは機能的に重複しやすく、ユーザーから見ればまとめてあるほうが合理的だろう。

RICOH R8の上面

一枚板状態の天板は剛性感もあって非常にいい仕上がりだ。モードダイヤルは大きく、かっちりとした操作感となっている。レンズ周囲のリングの厚みも、グリップ部のラバー程度で厚みはそれほど意識しない

左右側面

左右側面。シャッターボタンの周囲に配されたズームレバーの指掛かりが大きめなのは使いやすい。グリップ側側面には上と下の両側にストラップ穴が設けられており、両吊りストラップを使えばカメラを縦にして首から下げることができる

 また同社GRシリーズと同様に、モードダイヤルには“MY1・MY2ポジション”が追加され、お気に入りの撮影モードを保存できるようになった。さらに電動ズームは2段階の可変速となり、シャッターボタン周囲のズームレバーを回す角度によって高速・低速となる。R7でも可変速ズーム機能は採用されていたが、メニューでズーム速度を高速/低速を切り替える必要があったのに比べると、直感的な操作が可能になり大きな進歩を遂げた。

再生時のメニュー画面

再生時メニューの画像レタッチ機能「レベル補正」(上)とホワイトバランス補正(下)。レベル補正は左下のヒストグラム表示で黒レベル/中間/白レベルを補正でき、ホワイトバランス補正ではグリーン/マゼンタ/ブルー/アンバーを四辺とするチャートから色調を選択する。46万画素の高精細液晶パネルのおかげもあって、再生時の表示は非常に見やすい

 このほか撮影時の機能としては、GR/GXシリーズのように縦横比1:1の“正方形フォーマット”が選択可能、AF点のマニュアル指定、マニュアル露出カメラのような“最小絞り撮影”、カラーブラケット(通常/セピア/モノクロ)が用意される。再生時では高精細液晶を生かして1画面に最大20枚のサムネイル表示や明るさ・ホワイトバランス調整、画像トリミングがカメラ内で行なえるようになった。

付属品一覧

充電器とAVケーブル、USBケーブルなどが付属する。バッテリーベイの一部を取り外すことで、バッテリーの形状をしたアダプターを経由してACアダプターでの動作も可能だ

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