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『仮想化』――いま何が起こっているのか/VMwareに訊く

脚光浴びる10年選手・VMwareの強み――ニッチから表舞台へ

2008年07月31日 14時02分更新

文● 大川 淳、小橋川誠己/ASCII.jp

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「3年間止まらない」品質、他社をリードする管理機能


VMware

ヴイエムウェア ストラテジックアライアンス テクニカルマネジメント マネージャ 名倉丈雄氏

 仮想化によるサーバ統合のニーズを受けて、マイクロソフトやオラクルといった巨大ソフトベンダーもx86サーバの仮想化を重視しはじめており、新たな仮想化ソフトのリリースが相次いでいます(関連記事1関連記事2)。それでも、「今のところ、当社は数年のレベルで技術的に先行しており、市場もそれを認めています」(三木社長)と、VMwareの自信は揺るぎません。VMwareと他社製品はどこが違うのでしょうか。

 ヴイエムウェア ストラテジックアライアンス テクニカルマネジメント マネージャ 名倉丈雄氏は「そもそも、基本となるハイパーバイザーエンジンの品質が違います」と強調します。

 VMwareのエンジンは「3年間止まらなかった事例もある」(名倉氏)ほどの堅牢性をすでに実績として証明しています。通常のサーバの運用を考えてみても、3年間もの期間、無停止状態を維持するのが容易でないのは想像に難くありません。仮想マシン環境で長期間連続稼動を実現した実績は、VMwareのエンジンの質の高さを表すものだといえます。

 また、「品質」に次ぐVMwareの強みが、充実した管理機能です。特にデータセンター向けのスイート「VMware Infrastructure」には、仮想マシンの運用管理を助けるさまざまな機能が用意されています。

 例えば「VMware VMotion」は、仮想マシン環境をリアルタイムに他の物理サーバへ移行するための機能です。VMotionを使えば、ハードウェアをメンテナンスしたいときにも、サーバを止めずに済むわけです。

 物理サーバの使用率を常時監視し、負荷が高まると仮想マシンを他のサーバに自動的に切り替える「VMware DRS(Distributed Resource Scheduler)」は、サーバ管理者の負担を軽減してくれるでしょう。DRSと連携する「VMware Distributed Power Management(DPM:分散型電力管理) 」を使えば、使用率の低いサーバに複数の仮想マシンを集約し、余剰分のサーバをスタンバイモードに移行させることまで自動化できます。手間をかけずに、電力コストを削減できるメリットが生まれるわけです。

 「サーバの仮想化といっても、さまざまな分野で、必要となる機能がいくつもあります。当社はそれぞれの分野で、他社にはない部分があると考えています」(三木社長)

VMware

データセンター向けの「VMware Infrastructure 3」は、さまざまな管理機能を持つ仮想化スイート製品

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