米ヴイエムウェアは現地時間の6日、Intel Mac上で動作するx86マシンの仮想化ソフト「VMware Fusion」を正式にリリースした。対応マシンはIntel Mac、対応システムはMac OS X 10.4.9以上。ビルド番号は51348。価格は、ダウンロード版/パッケージ版ともに79.99ドル。5ユーザー向け/10ユーザー向けのダウンロード版はそれぞれ249.99/499.99ドル。日本国内からでも同社のウェブサイトで購入できる。
ほとんどのPC用OSに対応
VMware Fusionでは、WindowsやLinuxなどをIntel Mac上で動作させることができる。x86マシンの仮想化ソフトであるため、Windowsのほとんどのバージョンを利用可能だが、マイクロソフト(株)のライセンス規約上、Windows VistaのHome Basic/Home Premiumを動作させることはできない。なお、XPやVistaをBoot Camp環境にインストールしており、VMware Fusionでそのボリュームを使う場合はOSのライセンスは1本で問題なく、多くの場合は再アクティベーションの必要もない。
UnityでMac OS XとWindowsがシームレスに
VMware FusionではUnity(ユニティー)機能により、仮想マシン上のWindowsのデスクトップを消して、WindowsのウィンドウとMac OS XのウィンドウをFinder上で同じように扱える。WindowsとMac OS Xのウィンドウ間でドラッグ&ドロップでのファイルのやり取り(コピー)も可能。Windowsのウィンドウにはドロップシャドウがつくうえ、Exposeでも複数のWindowsのウィンドウが、通常のウィンドウと同様に独立して縮小表示される。Unityモード時はWindowsの「スタート」メニューやタスクバーは非表示となるが、「Applications」メニューから「Launch」を選べば、インストールされているすべてのソフトがリストアップされたランチャーを呼び出せ、ここから各ソフトを起動できる。なお、UnityのほかフルスクリーンやMac OS Xの1ウィンドウとして表示することも可能だ。
DirectX対応でゲームもプレー可能
マイクロソフト(株)のマルチメディアAPIであるDirectX 8.1に対応しており、同API対応したゲームなどをプレーできるのも特徴だ。残念ながら、Mobile Intel 945GM Expressシリーズのチップセット内蔵のグラフィック機能「GMA950」を使うMacBookやMac miniでは、DirectX 8.1は利用できない。
3種類のネットワーク機能
ネットワーク機能としては、ホストとなるMacとIPアドレスを共有する「NAT」、独自のMACアドレスを生成してネットワーク上でホストのMacとは別マシンとして扱える「Bridged」、ホストのMacとの通信のみが可能な「Host Only」の3種類。ホスト側のMacの任意のフォルダーを仮想マシン上のWindowsからネットワークドライブとして直接アクセスすることも可能だ。
VMwareにしかない注目機能
競合する米パラレルズ社の仮想化ソフト「Parallels Desktop for Mac」にはない機能としては、2つのCPUコアのエミュレーション、64ビットOSの対応がある。64ビットOSを利用する場合は仮想マシンに8GBまでのメモリーを割り当てられる。サーバーOSの運用や各種テストに重宝するだろう。なお、64ビットOSを利用するには、Core 2 DuoもしくはXeonを搭載するマシンが必要だ。Mac Proを除く初代Intel Macが採用するCore Duoは32ビットCPUのため非対応。
現在入手できるのは英語版だが、Boot Campなどと同様に日本語キーボードに対応しており、「カナ」「英数」キーでの入力スクリプトの切り替えも可能だ。なお日本法人であるヴイエムウェア(株)によると、日本語版の発売計画はあるがリリース時期や価格などは未定のこと。