多くのサーバーを仮想化してよりシンプルに運用したいと思っても、不安や疑問に感じる点はいろいろある。たとえばマイクロソフト以外の仮想化技術で、Windows ServerやExchange Server、SQL Serverなど、マイクロソフトのサーバー製品を運用する場合、マイクロソフトの技術サポートを受けられるのか? といった不安だ。
そんな不安を解消してくれる発表が9月3日(米国時間)にあった。米VMwareのサーバー仮想化ソフト「VMware ESX 3.5 update 2(u2)」が、米マイクロソフトの「Server Virtualization Validation Program(SVVP)」に正式に認定されたのだ。SVVPは、他のベンダーの仮想化ソリューションをマイクロソフトが検証し、認定製品についてユーザー向けの技術サポートを提供するプログラムのこと。SVVPには、VMwareのほか、米Cisco Systems、米Citrix Systems、米Novell、米Sun Microsystems、米Unisys、米Virtual Iron Softwareが参加している。やがて各ベンダーの製品にも認定が広がっていくはずだ。
マイクロソフトは、VMwareのようなHyper-Vのライバル製品でも、SVVPの認定製品であればサポートサービスを提供する、という方針だ。今回、VMware ESX 3.5 u2が認定を受けたことで、仮想マシン上でマイクロソフトのサーバー製品を実行しているユーザーは、物理サーバーで実行している場合と同様に、マイクロソフトの技術サポートを受けられるようになったわけだ。
なお、8月19日にはマイクロソフトのサーバー製品のライセンスも改定されている。従来、サーバー間でのライセンス移動は90日に1回と制限されていたが、改定により、仮想マシンで動作しているサーバーソフトウェアを、別の物理サーバー上にある仮想マシンへ何度でも移動できるようになった。SVVPに認定されたことで、VMware ESX 3.5 u2ユーザーにも同様のライセンスが適用される。異なるブレードをまたぐような仮想マシンの移動制限がなくなったことで、仮想マシンの負荷に応じて、より高性能のブレードに仮想マシンを移動してもライセンス違反に問われることはなくなっている。