デスクトップ仮想化ソフトといえば、マイクロソフトのVirtual PC、VMwareのVMware Workstation/VMware Playerあたりが有名だ。しかしVirtual PCは無料だがホストOSはWindowsのみ対応で、ゲストOSとしてはWindowsと一部のLinuxしか公式にはサポートされない。ライバルのVMware WorkstationはWindowsやLinuxがホストOSになれて、ゲストOSとしてWindowsやLinuxに対応しているが有料だ。また、無料のVMware Playerは仮想マシンの作成機能がなく、VMware Serverで仮想マシンを作成する必要があり面倒だ。帯に短したすきに長し、というのがデスクトップ仮想化の実情なのだ。
そこで第3の候補として上がってくるのが、米Sun Microsystems が提供するxVM VirtualBoxだ。9月4日(米国時間)に、新バージョン「xVM VirtualBox 2.0」がリリースされた。
VirtualBoxはもともと、デスクトップ仮想化技術を持たなかったSun Microsystemsが、2008年2月に独Innotekを買収し、仮想化製品群「xVM」のシリーズに統合したソフト。Virtual PCやVMwareに比べると影の薄い存在だが、VirtualBoxは十分に魅力的な製品で、ホストOSとしてWindows、Linux、Solaris、Mac OS Xに対応している。ゲストOSとしては、DosやWindows 3.1からOS/2、Vista、Linuxまで、x86用OSに非常に幅広く対応するほか、今回のバージョンアップで、64ビット版のWindows VistaやRed Hat Enterprise Linuxにも対応した(ホストOSも64ビット環境の場合)。しかも、手に入れたければ誰でも無料で(ユーザー登録さえ不要で)、Sun Microsystemsのサイトからダウンロードできる。
ほかにも改善点がある。Mac OS X用にインターフェイスが新しくなったほか、Mac OS XとSolaris OSにおけるネットワークのパフォーマンス、AMDのCPUでのパフォーマンスが改善するなどしている。また、企業向けに年30ドルで24時間のサポートサービスを提供する「Sun xVM VirtualBox Software Enterprise Subscription」も用意されている。試しに使ってみるには、もってこいの製品といえるかもしれない。