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「競合の3分の1の低価格を実現」――マイクロソフトが仮想化戦略を発表

2008年01月25日 22時42分更新

文● アスキービジネス編集部

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マイクロソフトは、25日、シトリックス社との提携を含めた同社の仮想化戦略に関する説明会を行ない、あわせてWindows Server2008の新価格体系を発表した。


企業の情報インフラを包括的に仮想化していく


 2011年には世界全体で5000億円市場にまで成長すると言われる仮想化市場。先行するヴイエムウェアを筆頭に、仮想化製品を販売するベンダー数も増加している。しかし、マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 マネージャ 藤本浩司氏は「現時点で仮想化されているサーバは全体の5~10%。デスクトップに至っては全体の1%未満しか実現していない」と仮想化市場がまだ初期フェーズにある点を強調する。

マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 マネージャ 藤本浩司氏

マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 マネージャ 藤本浩司氏

マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 マネージャ 藤本浩司氏

 今回発表されたマイクロソフトの今後の仮想化戦略によると、同社はデータセンターからデスクトップまで企業の情報インフラを仮想化する製品を包括的に提供し、マーケットシェアを伸ばしていく。アプリケーションの仮想化を実現する「SoftGrid Application Virtualization」や、デスクトップの仮想化を実現する「Virtual PC」といった仮想化製品はシステム運用管理プラットフォーム「System Center Virtual Machine Manager」で一元的に管理される。その結果、「企業のITの柔軟性と俊敏性が向上する」と藤本氏は自信を見せている。

5つの製品領域にまたがるマイクロソフトの仮想化戦略(画面クリックで拡大)

5つの製品領域にまたがるマイクロソフトの仮想化戦略(画面クリックで拡大)

 さらに、マイクロソフトは仮想化分野におけるパートナー企業との提携関係を強化している。米国時間1月22日にシトリックス社と仮想化ソリューション業務提携を発表しており、今後両社は相互運用性を向上させていく。将来的にはシトリックス社のXen Server内の仮想環境もSystem Centerで管理できるようになる。

 同社の仮想化製品で特に注目を集めるのが、Windows Server 2008だ。同製品は、サーバ仮想化機能「Hyper-V」を標準搭載しており、「ハイパーバイザー型と呼ばれる次世代の仮想化アーキテクチャを採用しており、スケーラビリティとパフォーマンスが大幅に向上した」と藤本氏は述べる。また、同製品に関して、藤本氏は競合他社との価格優位性をアピールする。「マイクロソフト製品によるサーバの仮想化の導入コストは、競合他社に比べ3分の1以下。当然台数が増えれば、その違いは大きくなっていく」と低コストで導入できるメリットを強調した。

 なお、今回の会見では、4月に発売されるWindows Server 2008日本語版の価格も発表された。価格はすべてオープンプライスだが、参考価格は下記のとおりとなっている。

パッケージ製品
Windows Server 2008 Standard(5CAL付) 18万8000円
Windows Server 2008 Enterprise(25CAL付) 72万円
Windows Web Server 2008 8万5800円
5クライアントアクセスライセンス 3万2600円
ボリュームライセンス(Open Business L:新規購入の場合)
Windows Server 2008 Standard 14万円
Windows Server 2008 Enterprise 45万4000円
Windows Server 2008 Datacenter(1プロセッサ) 46万3000円
Windows Server 2008 for Itanium-Based Systems(1プロセッサ) 46万3000円
Windows Web Server 2008 7万7500円
1クライアントアクセスライセンス 5500円

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