2008年は「日本のスマートフォン元年」か?
── ところで「最低でも月額7280円」という金額は安いんでしょうか? 高いんでしょうか?
林 前回、iPhoneのライバルは、イー・モバイルやウィルコムという話しをしましたよね。イー・モバイルの「EM-ONE」や「EMONSTER」をすでに持っていて、「WMWifiRouter」などのソフトとiPod touchで使っている人は、もしかしたらiPhone 3Gを買わなくても現状で我慢できてしまうかもしれない。
確かにiPhoneのほうがスピーカーもカメラも付いているので、iPod touchよりも利用できるシーンが増えます。しかし、イー・モバイルなら月々5980円(年間契約を結ぶと4980円)でデータ通信し放題なので、少しでも月々の支払いが安いほうがいいという人は、そっちのほうが満足できるでしょう。
特に、iPhoneの日本での発売が待ちきれず、先の組み合わせを用意してしまった人は動きにくいはず。ソフトバンク版のiPhoneは、そうしたライバルも寄せ付けないくらいの破壊力をもったデビューになるかもしれないと期待していましたが、その辺のインパクトが弱くて少しだけ残念です。
── そういえば、iPhone 3Gで明らかになった定額のデータ通信プラン「パケット定額フル」は、ソフトバンクのスマートフォンブランドである「X」シリーズの端末でも契約できるようですね。
林 そうですね。その点はいいニュースです。世の中には触っての感想なのか、そうでないのかは分かりませんが、「iPhoneなんて興味がない」という人もそれなりにいます。そういう人にとって、この「パケット定額フル」の適用で、ソフトバンクのほかのスマートフォンが一気に魅力的になったでしょう。
iPhone単体ではイー・モバイルに与えるインパクトが少し低くなってしまいましたが、「X」シリーズ+iPhoneという「合わせ技」は、イー・モバイルにとってかなりのプレッシャーになりそうな気がします。いずれにしても、「これで日本でもスマートフォンの時代が一気に来た」と感じますね。