iPhone 3Gへのすさまじい注目の中、ソフトバンクはiPhone向けの料金プランを発表した(関連記事)。この値段を見て現実に引き戻されたのか、ネットなどでは「高い」「買わない」という意見が急に出始めて、その話題が世界を駆けめぐった。しかし、本当にiPhone 3Gは高いのだろうか。
ユーザーが突きつけられた現実
iPhone 3Gを日本で使う場合のソフトバンクの料金体系は、さまざまな記事によって語られている(関連記事)。大まかにご紹介すると、「ホワイトプラン(i)」などの基本料金に加えて、「パケット定額フル」「S!ベーシック」をセットで申し込むことになるので、月額支払い料金は7280円となる。
もし仕事などでバリバリと使いたい場合は、「留守番電話サービス(i)」「割込通話」「グループ通話」の3つがセットになったオプションパック(月額498円)と、恐らく適用できるであろう通話料が半額となる「Wホワイト」(月額980円)を組み合わせるべきで、そうすると月々の支払いは8758円だ。
これに加えて新規契約で割賦制度「新スーパーボーナス」を利用する場合、8GBモデルで960円、16GBモデルで1440円を、2年間毎月払い続けることになる。
確かにソフトバンクが発表した「8GBモデルが実質2万3040円、16GBモデルが実質3万4560円」という端末代金は、WWDCの基調講演でスティーブ・ジョブズが発表した8GBモデルで199ドル、16GBモデルで299ドルという金額に近いが、割賦で買えば「2年間しばり」が付く。
この価格と2年しばりを突きつけられて、さらに日本のケータイらしい機能、例えば「i-mode」「EZweb」「Yahoo!ケータイ」のようなケータイウェブのサービス、おサイフケータイ、ワンセグ、デコメール、着うたフルなどが使えなくなるとなると、「メインのケータイとして乗り換えられない」という結論を出すユーザーも多い。
ウワサほど魅力的ではない?
iPhoneは、ウワサほど魅力的ではないかも──。日本のユーザーのそんな疑問は、実はニュースとなって世界中を駆けめぐった。
2008年6月18日にアイシェアが発表したiPhoneに関する調査によると、回答者の91%が「今は購入予定はない」と答えているそうだ(関連リンク)。有効回答数が402名と規模の小さなケータイ上でのアンケート結果だが、同社が初代iPhoneが発売された直後に行なった昨年の調査よりも購入意向が落ちている。
この調査結果は、「TechCrunch」や「Engadget」といった大手ブログメディアを通じて、英語版のニュースとしても配信されて注目を集めている。やっと日本のケータイ事情が、iPhoneという黒船を通じて世界に「ホットな話題」として紹介された感がある。
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