JR北海道にインタビュー
───DMVはどのような仕組みなんですか?
JR北海道 マイクロバスの床下に、鉄道のレール上を走行するための鉄車輪を装着しています。 駆動力は、バスの後タイヤをそのまま利用しています。
鉄車輪前側→下降してきてレール上を走行する。
鉄車輪後側→下降してきて後ゴムタイヤと荷重を分担する。
───DMVの実用化はいつになりそうですか?
JR北海道 現在、試験的営業運行という形で実用化されていますが、今後も残された課題の開発を進め、本格的な営業運転の早期実現を目指しています。
───では、どこまで開発が進んでいるのでしょう?
JR北海道 JR北海道の釧網線、網走~浜小清水~藻琴間で、試験的営業運行を実施できるレベルまでですね。これは平成19年4月14日から開始されており、今年で2年目を迎えます。車両としての登録はすでに平成19年に完了しています。
───DMV開発にあたって、最大の課題は?
JR北海道 定員の拡大に向けた車両開発や運行システムの開発の他に、法律上の課題がいくつかあります。詳しくはお答えできませんが、現在、鉄道とバスの運転を別々の運転士が行っている点も課題のひとつです。
───人員輸送以外の利用方法はありますか? 例えば貨物輸送とか。
JR北海道 現時点では、人以外の運搬は考えておりません。
───ズバリ、DMVの最大のメリットは!?
JR北海道 バス~鉄道~バスと、最短ルートをまわって、乗り換えなしで移動できるという点でしょう!
───実用化されたら、他の地域にも導入されるのでしょうか?
JR北海道 定員の拡大などの課題が解決できれば、日本国内や国外でも条件によっては導入できるのではないかと考えています。
───では、どういう地域がDMVに向いていますか?
JR北海道 活用方法にもよりますが、やはり地方で過疎化の進んでいる箇所で鉄道運営もバス運営にも苦慮している地域が最適ではないでしょうか。
───マニアックですが、ベース車両について教えてください。
JR北海道 ベースとなっているのはNISSAN の「シビリアン」です。出力は「180ps/2700rpm」というスペックです。また、タイヤは、ブリジストンのスタッドレスタイヤ「235/70HR17.5」です。なお、メーカーさんからの協力はいただいておりません。
───DMV開発における、喜びや苦労を教えてください。
JR北海道 新しい乗り物の開発が出来ることと、開発した車両が利用者のためになることなどが喜びであり、新規の開発は未知の部分もあり、やってみてわかることも多く、その対策に苦労することが多々あります。
───では最後に将来の目標を。
JR北海道 できるだけ早く、地域交通の救いとなるDMVを開発し、完成させることです。
───ありがとうございました。