コミュニケーション下手が人間関係で成功する方法とは
ケータイなどの影響で、逆にコミュニケーションが下手になる人が増加しているからと言って、この傾向にストップをかけられわけではありません。自分をアピールすることが苦手、初対面の人との対人関係を築けない、という人は具体的にはこれからどうすればいいのでしょうか。
「そもそも、コミュニケーションが下手だと感じている人は、初対面の人が相手だと『うまくアピールしないと!』と焦ってしまうことがあるのではないでしょうか。そういう人は、春先の雑誌の特集でやっている『アピールするために○○の服を着よう!』とか『大きな声で明るく』など、取り入れるのは絶対に間違いです(笑)。明るくハキハキできる人は最初から無理しないでもできますよ。できない人が無理してそんなことをしたら、演じれば演じるほど、『ひょうきんで明るい』という仮面のレッテルを貼られてしまい、当然いつまでも持ちません。真綿で自分の首を絞めているようなもので、だんだん苦しくなってしまうでしょう。対人ストレスは、自分が無理するほど大きく圧し掛かってくるものです。まずは自分のことを知って、次に相手のことを知る。そのうえで、ストレスを感じる状況にならないようにするために、自分を無理なくどのように変えたらいいのか、考えてみて下さい」
表立ってアピールしたり、演じたりせず、自然な自分を肯定しながらも人間関係を上手に構築できる方法があるわけですね。
「自分をアピールすることが下手だと思っている人たちには、『自分なりの貢献の仕方がある』ということを強く教えてあげたいです。会社社会の中であれば、例えば多少地味で、人に対して瞬時のアピールができない人でも『自分は長期的には必ず評価される人間である』ということを信じて欲しいですね。仕事も華やかなスタンドプレイを自分に求めるのではなく、毎日ムラなくきっちりとした仕事をする。上司には、自分のことを長いスパンで認めてもらおうと考えて、焦らずに自分のペースをつかんだ方がいいと思います」
アピール下手の方が実はお得
会社においては上下関係などの難しさもあります。例えば、逆に自分が上司の立場であれば「自己表現が上手な上司の方が部下からも接しやすくていい」という場合はないでしょうか。
「自分の立場が、新人を迎えた上司であっても基本は同じです。無理して飲みに誘ったりする必要はありません。新人っていうのは仕事の経験がないので、いかにもやる気がありそうな上司や話がとても上手い上司といった、分かりやすい見た目に左右されます。だから初めのうちは、自己アピールが下手な地味な上司には特に関心を示さない。でも、それは得なことなんですよ。新人に過度に頼られることもないし、変に理想化されることもないので、今までと変わらず自分のペースで仕事をやっていけるということです。そのうち新人は必ず失敗するので、そのときに『僕もそういうことあったよ』って言ってあげればいいでしょう」
『飲みに行こう』と誘っていた上司の声よりも、新人が本当に困っているときにかける一言ほうが、必ず新人の心に届くはずと語る名越さん。焦って無理する必要はまったくない、と。
「これは対人関係の基本でもあるんですけど、まずは『観察する』ことです。1つ例を挙げると、新人の気を引くには『上司が自分のことを見てくれている』ということを実感させてることが一番です。新人が休憩の時間に読んでいる本を観察しておいて、飲み会のときなどにそれとなく話題にするだけでも『キミのことをちゃんと気にかけているよ』というメッセージは伝わると思います」
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