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【IDF 2008 上海レポート Vol.6】

インテルCPUの大きな転換点に立つNehalem

2008年04月10日 22時54分更新

文● 山本雅史

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Nehalemのバリエーションとチップセット


Nehalemのプラットフォーム別の違い。2008年にリリースされるNehalemは、サーバー&ワークステーション向けとハイエンドデスクトップ向け。メインストリームのデスクトップ/ノート/大規模サーバー向けは2009年リリースとなる

 NehalemではCPUソケットが、現行の「LGA775」から「LGA1366」(1366ピン)に変更される。ソケットに関しては、ハイエンドデスクトップとサーバー&ワークステーション用の「Nehalem-EP」で同じものを使用する。

Bloomfieldは「LGA1336」ソケットを使用

Bloomfieldでは、LGA775より大きな「LGA1336」ソケットを使用する

 また対応チップセットのIOHには、「Tylersburg」(テイラーズバーグ)が使用される(Bloomfield用はTylersburg-DT、Nehalem-EP用はTylersburg-EP)。Typersburg-DTでは、PCI Express 2.0 x16が2レーン分と、x4が1レーン分用意される。

BloomfieldとTylersburgの特徴

ハイエンドデスクトップ向けのNehalem「Bloomfield」とチップセットの「Tylersburg」の特徴

 Tylersburgで使用されるICHは、6月頃にリリースされるP45チップセットで使用される「ICH10」が流用されるようだ。ICH10の仕様は、PCI Express x1が6ポート、USB 2.0が12ポート、SATA 6ポートとなっている。

ICH10、10Rの主な仕様

ICH10、10Rの主な仕様

インテルのマザーボードロードマップ

BloomfieldとTyersburg-DTによるプラットフォームは、「Smackover」という名で呼ばれている

 Nehalemの製品バリエーションとしては、上述のBloomfieldやNehalem-EPのほかに、メインストリームデスクトップ用のNehalemとなる4コア版「Lynnfield」(リンフィールド)や2コア版「Havendale」(ヘブンデール)、ノートパソコン用の4コア版「Clarksfield」(クラークスフィールド)や2コア版「Auburndale」(オーバーンデール)などが用意される。しかしIDF上海では、これらについての情報はほとんどなかった。これは2009年のリリースとなるため、詳細情報が出るとしても、今年8月にサンフランシスコで行なわれるIDFに持ち越しとなりそうだ。

 ハイエンドデスクトップ用のBloomfieldは、サーバー&ワークステーション向けのNehalem-EPとほとんど変わらないと推測されるため、相当価格の高いCPUになるだろう。


Nehalemの普及は2009年から


 IDF上海を振り返って思うのは、「Nehalemは大きな転換点になるが、実際にNehalemの大波がやってくるのは2009年の春以降になる」ということだ。2008年末には、Nehalemの登場が大きな話題にはなるが、一般のユーザーが利用するパソコンに使うには高価すぎる。

 もうひとつ大きな問題は、「クアッド(4)コアのCPUを何に使うか」ということだ。Nehalemになったとしても、VistaやOfficeが2倍速くなるわけではないだろう。やはり、OSやアプリケーション自体が、よりマルチコアCPUに適したプログラムに変わっていく必要がある。

 もうひとつ大きなポイントとしては、2009年頃には多くのデスクトップPCが、64bit OSに移行する時期になるだろうということだ。メモリーモジュールの価格が下がり、デスクトップPCではメモリー4GB程度が楽に導入できる状況になりつつある。2009年時点では、4GB以上のメモリーに対応できない32bit OSは時代遅れと言えよう。

 まだまだ十分多くはないが、多くの周辺機器ベンダーが64bit版ドライバーの開発を進めているし、いくつかのアプリケーションは、64bit対応のものがリリースされてきている。Nehalemで本格的な64bit環境を迎えると仮定した場合、ドライバーやアプリケーションの64bit化を、強力に進めていく必要があるだろう。

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