米インテルが米国サンフランシスコにて開催中の「Intel Developer Forum Fall 2008」(以下IDF)では、2008年末のリリースに向けて、Core 2ファミリーの後継となる次世代CPU「Core i7」(コード名 Nehalem)についての詳細情報が次々と公開されている。今回はCore i7ファミリーのロードマップについてレポートしよう。
なおCore i7(Nehalem)の詳細については、関連記事1および関連記事2を参照していただきたい。
ハイエンド向けにはX58チップセット
Core i7は現状のCore 2ファミリーのように、デスクトップ向けとノートパソコン向け、およびサーバー&ワークステーション向けが用意される。
まずハイエンドデスクトップ向けに、Core i7 ExtremeとCore i7が登場する。これらのコード名は、サーバー&ワークステーション向けと同じ「Nehalem-EP」。年内に発売されるCore i7のデザインはNehalem-EPしかないので、デュアルプロセッサーシステムが構築できるCPUを、そのまま転用しているわけだ。
Core i7 ExtremeとCore i7の違いは、クロック周波数の違いとオーバークロックできるかどうかにある。どちらのCPUもクアッドコアで、Hyper-Threading(HT)により仮想的に8コア(オクタコア)として動作できる。内蔵するメモリーコントローラーのメモリーチャンネルは、3チャンネル分用意される。
チップセットとしては、「Intel X58 Express」が使用されることになる。X58 Expressは、X58自体とICH10で構成される。Nehalem-EP自体は、CPUとチップセット(やほかのCPU)を接続するインターコネクトバス「QuickPath Interconnect」(QPI)を2本備えている。1本はチップセット、もう1本はほかのCPUとの接続に利用する。しかし、X58はQPIを1本しか持たないので、X58を使ったシステムはシングルプロセッサー専用となる。
インテル製のX58搭載マザーボード、コード名「SmackOver」の実物を見ると、メモリースロットは4スロット分(青3、黒1)ある。そのうち青い3スロットは、Core i7の各メモリーチャンネル(Aチャンネル)につながっている。残る黒い1スロット分は、より多いメモリー搭載を求めるユーザー用として用意されているのだが、この違いには訳がある。
Nehalem-EP自体は、各メモリーチャンネルにAとB、2つのDIMMを接続できる。しかし実際には、2つめのBチャンネルにDIMMを接続すると、メモリー全体のパフォーマンスが低下する問題があるという。X58プラットフォームを最高のパフォーマンスで運用するには、チャンネルAへのメモリー3枚差しが実用的のようだ。
