既報のとおり、松下電器産業は24日、デジタルカメラ“LUMIX”(ルミックス)の新製品として、コンパクトカメラ『DMC-FX33』『DMC-FX55』とコンパクト高倍率ズームモデル『DMC-FZ18』の3機種を発表した。同日、東京都江東区有明にあるパナソニックセンター東京で開催された新製品説明会では、新製品で最大の特徴である“インテリジェントオート”機能のデモなどが披露された。なお、各製品の仕様や価格については、関連記事を参照のこと。
発表会の冒頭で、デジタルカメラの市況について述べた同社パナソニックマーケティング本部 商品企画グループ チームリーダーの品田正弘氏は、デジタルカメラ購入者の7割が“買い換え・買い増し”となっており、ユーザー層の多様化が進んでいると分析した。そのうえで同社は、ターゲットユーザーを絞った製品展開と提案を進めることで、コンパクトデジカメ市場のシェアで1位を獲得したと述べた。
一方で品田氏は、ユーザーが多様化しカメラに対する不満や要望も多様化したとはいえ、“誰もが失敗のない写真を撮ること”は依然として重要であるとも述べる。新製品が共通で搭載する新機能“インテリジェントオート”(iA)は、まさにそのための機能である。
新製品の特徴を説明したパナソニックAVCネットワークス社 DSCビジネスユニット グループマネージャーの房 忍(ふさ しのぶ)氏は、インテリジェントオート実装の経緯について説明した。それによると、従来のデジカメの“オート”設定では、暗所やマクロ撮影など多様な被写体をきれいに写すのが難しかった。そのため多くの“シーンモード”を搭載して対応したものの、シーンモード自体が増えすぎて適切なモードを選ぶのが難しくなったり、モード変更を忘れて撮影に失敗するという新たな問題が出てきたという。そこでカメラ側が被写体の要素(顔、動き、明るさ、距離)を判別して、自動で適切なシーンモードに切り替えるというのが、インテリジェントオートの特徴であるという。
インテリジェントオートでは、被写体を認識して以下の5つのモードを自動的に切り替える。
- 人物
- 被写体の顔を認識して、フォーカス、ホワイトバランス、露出などを調整。最大15人までの顔を認識可能
- 夜景&人物
- 夜景の中の人物を撮る際に、人物と夜景を共に美しく撮る。顔認識で人物を捕らえつつ、フラッシュのスローシンクロを行なって夜景も明るく写す
- 風景
- 手前から奥までポイントのあった風景撮影を行なう
- マクロ
- 被写体との距離を認識して、非常に接近した撮影でもフォーカスを正確に合わせる
- 標準(動き認識)
- 動き認識を利用して、動物や子供など動き回る被写体をぶれずに撮る
実機を用いたデモでは、インテリジェントオートに設定されたカメラから撮影者が離れた状態で、人物の数や位置を変えたり、被写体を接近させたりして、撮影モードが自動で切り替わる様子が披露された。顔認識機能の追従は早く、また多少斜めでも認識するなど、同社製品では顔認識機能を初めて実装した製品のわりに、実用性は高い。
また、“コンパクト高倍率ズームモデル”を標榜するDMC-FZ18は、広角28mm相当の広角撮影から、記録画素数を落として画質劣化のない高倍率ズームを行なう“EX光学ズーム”による最大28.7倍(35mm判換算でなんと803mm!)のズームを備える。デジタル一眼レフカメラでは複数のレンズを使い回して実現する機能を1台で行なえるということで、房氏はこれを評して、「最強の運動会カメラ」であると述べた。
本日発表の新製品の発売日は8月25日。予想実売価格はDMC-FX33が4万3000円前後、DMC-FX55が4万5000円前後。DMC-FZ18が5万5000円前後。