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週替わりギークス 第223回

「みんな思っていたより友達が多くない」20代〜60代の男女100名の調査でわかったこと

2021年10月18日 09時00分更新

文● 高桑蘭佳(らんらん) 編集● ASCII

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 メンヘラテクノロジーの高桑蘭佳です。

 私の大きな悩みは友達が少ないことです。特に同性の友達が少ないことにコンプレックスを感じています。最近は新型コロナウイルスの影響で以前よりは減っているものの、SNSを開いてはほかの人が友達と楽しそうに過ごしている投稿を見て落ち込んでいます。

 2016年に大規模な携帯電話のデータセットから、他者との接点の変化について分析した研究(※1)によると、25歳をピークに接点が急激に減少していくらしいです。私は現在27歳ですが、同世代では結婚や子育てにリソースを多く割く人も少なくありません。そう考えると、私自身に時間の余裕があっても同世代との接点を作っていくことが難しくなっていきます。

 しかし、このまま友達が少ないままの人生を過ごしていくのは寂しく思います。そこで今回は、友達の必要性や最適な人数について調べながら考えてみました。

友達は必要なのか

 まず、私自身は友達がもっとほしいと思っているわけですが、そもそも友達は本当に必要なのか調べてみました。

 2011年に実施した研究(※2)で、親しい友達の存在はネガティブな経験を和らげることがわかったというものがありました。その研究では、親しい友達がいない人はいる人よりもネガティブな経験をしたときに「コルチゾール(ストレスホルモン/※3)」が大幅に増加したそうです。

 また、友達という関係性に限ったものではありませんが、別の研究(※4)では社会的関係が強い人は弱い人よりも死亡リスクが50%も低いことがわかっています。社会的なつながりが乏しいことによる孤独感は、タバコを1日15本吸うのと同じくらい死亡リスクを上げるそうです。

 このような研究の結果を見ていると、「友達は絶対に必要だ!」という意見を押し付けるわけではありませんが、やはり信頼できる友達の存在は重要なんだなと思います。

理想の友達の人数

 友達と一口にいっても、関係性の深さはいろいろあると思います。Facebookの友達を友達と呼んでいいのであれば、私にも友達は1000人以上いることになります(実際はほとんど話したこともないような人も多いです……)。

 これまで漠然と「友達がほしい!」と思っていたので、実際どのくらいの関係性の友達が何人くらいいたら満足するのか具体的にイメージできていませんでした。具体的な目標がなければ、行動もできないので、これも友達ができない一つの原因かもしれません。

 理想の友達の人数を考える上で役に立ちそうな「ダンバー数」という理論があります。イギリスの人類学者ロビン・ダンバーが提案した「人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の認知的な上限」を示したものです。

 これによると、人間関係には以下のような階層とグループサイズのパターンがあるそうです(※5)。これ以上に人数が増えると、関係の質が低下してしまうとのこと。

・第0階層:Very close friends(3〜5人)
→危険な時に駆けつけたり、お金の相談をしたり、深い秘密を打ち明けられる人

・第1階層:Close Friends(12〜15人)
→月に1回連絡を取り合う

・第2階層:Distant Friends(45〜50人)

・第3階層:Maximum number of Friend(150人)
→ダンバー数

 私自身の友達関係について考えてみたところ、第0階層は1人、第1階層が3人程度くらいでした。これを踏まえると、いきなり第0階層の友達を作るのは難しいので、第1階層の友達があと10人くらいいて、そこから時間をかけて第0階層の関係性に発展していける人が1〜2人いたら理想的ではないかと思いました。

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