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ユーザーがどんなウェブサイトを閲覧したかを記録する「クッキー(Cookie)」をめぐって、公正取引委員会が、規制を検討しているとのニュースが入ってきた。
2019年10月30日付のNHKの報道によれば、データをどのように利用するかをユーザーに十分に説明せずに、クッキーで集めた情報を利用した場合、独占禁止法の「優越的地位の乱用」にあたる可能性があるという。
たしかに、GAFAをはじめとした、大手IT企業が保有する膨大な個人データとクッキーの情報を結びつければ、個人の行動の大部分を分析できる。
それを公取委が規制するとなれば、大きな動きだ。
ネット上でもかなりの反応があったが、このニュース、ちょっと冷静に受け止める必要がありそうだ。
●「基準があいまい」経団連
公取委は現在、グーグルやアマゾンといった「デジタルプラットフォーマー」と一般の消費者の関係において、消費者側が提供する個人情報を、プラットフォーマー側がどのように取り扱うと「優越的地位の乱用」に該当するかなどを具体化するガイドラインの策定を進めている。
8月末にガイドライン案を公表し、意見を公募したところ、日本経済団体連合会(経団連)から強い反発の声があがった。
経団連の意見書は「基準があいまいであるために、優越的地位を乱用したと認定されてしまうおそれがあり、萎縮効果が高く、日本の投資先及びイノベーション環境としての魅力が損なわれる」などと強く批判している。
今回のクッキー規制報道の背景にあるのは、ガイドライン案の次の記述だと考えられる。
「デジタル・プラットフォーマーによる消費者が提供する個人情報等の取得に関する行為が、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとなる場合には、次のような行為に限らず、優越的地位の乱用として問題となる」
そのうえで、問題となりうる行為の例として示されたのが、次のような行為だ。
「利用目的を消費者に知らせずに個人情報を取得すること」
クッキーは、単独では個人は特定できないが、プラットフォーマー側が保有する個人情報とひもづければ、個人の特定が可能だ。
ただ、こうした行為が、ただちに「優越的地位の乱用」にあたるかと言えば、そうとまでは言えない。
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