最近はあまり話題にならないが、なくては困るAV機器がある。Blu-ray Discレコーダーだ。
なんで話題にならないかというと、多くの読者を挽き付けるような爆発的なトピックがないためだと思う。4K BDやHDRといった話題はあるものの、4Kテレビがまだまだ普及しきれていない現在において、関心が低くなるのは当然。
ただし、BDレコは地味に進化を続けており、数年前のモデルと比較してかなり使い勝手が向上している。そして、そのことを知らない人も多いはず。
そこで、BDレコの最新モデルについての“イマドキの常識的”な機能を紹介していこう。
その前に、まずは現行のBDレコについて、各社のラインナップを整理しておこう。
パナソニック「DIGA」
パナソニックのBDレコはかなり複雑なラインナップになっている。まず、現行機として2016年秋モデル、2016年春モデル、2015年秋モデルが混在しており、さらに、全録(全チャンネル常時録画)モデルと通常(非全録)モデルを用意。
通常モデルは「Ultra HD Blu-ray」(後述)に対応する上位モデルと、非対応のスタンダードモデルで分かれるほか、内蔵チューナー数が6/3/2/1とバラエティーに富んでいる。
最上位モデルとなるのは2015年秋モデルの「DMR-UBZ1」(実売価格 27万円前後)で、Ultra HD Blu-rayに対応。3TB HDDを内蔵する。最新モデルの最上位機種は「DMR-UBZ2020 」(実売価格 11万円前後)。Ultra HD Blu-ray対応の3チューナーモデルで、内蔵HDDは2TBだ。
2016年秋モデル | |||||
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製品名 | HDD容量 | チューナー数 | 全録 | Ultra HD Blu-ray | 実売価格 |
DMR-UBZ2020 | 2TB | 3 | × | ○ | 10万7000円前後 |
DMR-UBZ1020 | 1TB | 3 | × | ○ | 9万7000円前後 |
DMR-BRZ1020 | 1TB | 3 | × | × | 7万3000円前後 |
DMR-BRW1020 | 1TB | 2 | × | × | 6万3000円前後 |
DMR-BRW520 | 500GB | 2 | × | × | 5万1000円前後 |
DMR-BRS520 | 500GB | 1 | × | × | 4万4000円前後 |
2016年春モデル | |||||
製品名 | HDD容量 | チューナー数 | 全録 | Ultra HD Blu-ray | 実売価格 |
DMR-BRX7020 | 7TB | 11 | ○ | × | 16万7000円前後 |
DMR-BRX4020 | 4TB | 7 | ○ | × | 11万5000円前後 |
DMR-BRX2020 | 2TB | 7 | ○ | × | 7万1000円前後 |
DMR-BRG2020 | 2TB | 6 | × | × | 8万8000円前後 |
2015年秋モデル | |||||
製品名 | HDD容量 | チューナー数 | 全録 | Ultra HD Blu-ray | 実売価格 |
DMR-UBZ1 | 3TB | 3 | × | ○ | 27万円前後 |
DMR-BRZ1010 | 1TB | 3 | × | × | 5万5000円前後 |
DMR-BRW1010 | 1TB | 2 | × | × | 5万6000円前後 |
DMR-BRW510 | 500GB | 2 | × | × | 4万7000円前後 |
シャープ「AQUOSブルーレイ」
パナソニックと同じぐらい複雑なのがシャープ。DIGAと同じく2016年秋モデル、2016年春モデル、2015年秋モデルが混在し、トリプルチューナー機が6台、ダブルチューナー機が12台、シングルチューナー機が3台、現行モデルとしてラインナップされている。
最上位モデルはトリプルチューナー搭載の「BD-NT3000」(実売価格 10万円前後)だが、こちらは2016年春モデル。最新モデルの最上位はダブルチューナー機の「BD-NW2100」(実売価格 8万6000円前後)で、11月25日に発売されたばかりだ。
2016年秋モデル | |||||
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製品名 | HDD容量 | チューナー数 | 全録 | Ultra HD Blu-ray | 実売価格 |
BD-NW2100 | 2TB | 2 | × | × | 8万6000円前後 |
BD-NW1100 | 1TB | 2 | × | × | 7万5000円前後 |
BD-WW1100 | 1TB | 2 | × | × | 7万5000円前後 |
BD-NW510 | 500GB | 2 | × | × | 6万5000円前後 |
BD-NS510 | 500GB | 1 | × | × | 6万円前後 |
2016年春モデル | |||||
製品名 | HDD容量 | チューナー数 | 全録 | Ultra HD Blu-ray | 実売価格 |
BD-NT3000 | 3TB | 3 | × | × | 10万円前後 |
BD-NT2000 | 2TB | 3 | × | × | 7万3000円前後 |
BD-NT1000 | 1TB | 3 | × | × | 6万8000円前後 |
BD-NW2000 | 2TB | 2 | × | × | 6万円前後 |
BD-NW1000 | 1TB | 2 | × | × | 6万円前後 |
BD-WW1000 | 1TB | 2 | × | × | 6万円前後 |
BD-NW500 | 500GB | 2 | × | × | 4万2000円前後 |
BD-NS500 | 500GB | 1 | × | × | 4万2000円前後 |
2015年秋モデル | |||||
製品名 | HDD容量 | チューナー数 | 全録 | Ultra HD Blu-ray | 実売価格 |
BD-T3800 | 3TB | 3 | × | × | 9万円前後 |
BD-T2800 | 2TB | 3 | × | × | 6万円前後 |
BD-T1800 | 1TB | 3 | × | × | 5万5000円前後 |
BD-W2800 | 2TB | 2 | × | × | 6万7000円前後 |
BD-W1800 | 1TB | 2 | × | × | 5万5000円前後 |
BD-W1800W | 1TB | 2 | × | × | 5万5000円前後 |
BD-W580 | 500GB | 2 | × | × | 5万円前後 |
BD-S580 | 500GB | 1 | × | × | 4万3000円前後 |
東芝「レグザブルーレイ」
東芝は全録モデル2機種と通常モデル5機種(3チューナーモデル2機種、2チューナーモデル3機種)とラインナップ的には少ない。ただ、通常モデルのうち4機種は2016年秋モデルで、最新のモデルが多い。
最上位モデルは、11月に発売されたばかりのトリプルチューナーモデル「DBR-T2007」(実売価格 9万1000円前後)。HDDは2TBとなっている。なお、全録モデルの最上位機種は「DBR-M590」だが、発売は2015年春とやや古い。
2016年秋モデル | |||||
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製品名 | HDD容量 | チューナー数 | 全録 | Ultra HD Blu-ray | 実売価格 |
DBR-T2007 | 2TB | 3 | × | × | 9万円前後 |
DBR-T1007 | 1TB | 3 | × | × | 8万円前後 |
DBR-W1007 | 1TB | 2 | × | × | 6万8000円前後 |
DBR-W507 | 500GB | 2 | × | × | 5万7000円前後 |
2015年モデル | |||||
製品名 | HDD容量 | チューナー数 | 全録 | Ultra HD Blu-ray | 実売価格 |
DBR-M590 | 6TB | 9 | ○ | × | 17万円前後 |
DBR-T670 | 3TB | 3 | ○ | × | 9万1000円前後 |
DBR-Z620 | 1TB | 2 | × | × | 4万3000円前後 |
ソニー「ブルーレイディスクレコーダー」
ソニーは2016年秋モデルを投入しておらず、最新モデルは2016年春モデルとなる。現行機種としては、トリプルチューナー機4台、ダブルチューナー機4台、シングルチューナー機1台となっているが、2016年春モデル以外の機種(トリプルチューナー機2台、ダブルチューナー機2台、シングルチューナー機1台)は実質的に市場在庫も終了している。
最上位モデルは、トリプルチューナー搭載の「BDZ-ZT2000」(実売価格 8万3000円前後)で、2TB HDDを内蔵する。
2016年春モデル | |||||
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製品名 | HDD容量 | チューナー数 | 全録 | Ultra HD Blu-ray | 実売価格 |
BDZ-ZT2000 | 2TB | 3 | × | × | 8万3000円前後 |
BDZ-ZT1000 | 1TB | 3 | × | × | 6万9000円前後 |
BDZ-ZW1000 | 1TB | 2 | × | × | 5万7000円前後 |
BDZ-ZW500 | 500GB | 2 | × | × | 4万6000円前後 |
以降の記事は、基本的に最新モデルの機能について紹介するものである。最新でない機種やエントリー機種では搭載されていない機能も含まれるので、購入する際はスペックを確認してほしい。
録画予約はもう古い!? “全録”ならぬ“セミ全録”
これまでのBDレコーダーにも録画予約を円滑にしてくれる機能があった。たとえば、ソニーの「おまかせ・まる録」や、パナソニックの「おまかせ録画」は、自分が興味のあるジャンルやキーワード、人物などを事前に登録することで、それに当てはまる番組を自動で録画してくれる機能だ。
しかし、最新のBDレコーダーはこの事前登録の手間が大幅に簡潔化されている。たとえば、東芝の「おまかせ自動録画」は、「カテゴリー」と呼ばれるものを選択するだけで、関連する番組を抽出して自動録画してくれる。
カテゴリーは初期設定の延長で設定するもので、興味のある番組ジャンルやキーワード、人物名などを登録できる“コンテナ”のようなもの。自分の好みに合わせて最大21個までのカテゴリーを選択することで、レコーダーをカスタマイズできる。もちろん、自分でカテゴリーを作成することもできる。
そして、全録(複数チャンネルのすべての時間帯の番組を録画し続ける)に近い機能を提供するのがシャープの「ドラ丸」。ドラマ/アニメ/バラエティーのうちのいずれか1ジャンルについて、新番組を検出し、自動で4週間分を録画してくれる。
4週間経過すると自動消去されるが、気に入った連ドラなどは継続して録画が可能。これらを活用することで、事前に電子番組表をチェックするという手間がなくなるのはうれしいところだ。
以降のページ(ASCII倶楽部会員向け)では、時間がない中で録画番組をチェックする機能や、話題の番組を逃さず録画できる機能など、引き続き意外と知らない最新BDレコの機能を紹介していく。