ライブ配信機能「MixChannel LIVE」を追加
10月9日、MixChannelがライブ配信機能「MixChannel LIVE」をリリースしました。プレスリリースによれば「コメントでのコミュニケーション機能」「フィルター機能を搭載した全画面でのライブ配信機能」「ライブ中に使えるカラオケ機能」がMixChannel LIVEの特徴としています。
ライブ配信メディアの機能として欠かすことができない「コメントでのコミュニケーション機能」に加え、「フィルター機能を搭載した全画面でのライブ配信機能」は既にサービスをしているtakusutaやLINE LIVEに似た機能がMixChannel LIVEにはあります。
おそらくMixChannel LIVEでも、スマートフォンを目の前に置き、配信者自身の自分撮り(=自撮り)が主体となって、視聴者とのコメントによるコミュニケーションで展開されていくライブ配信のスタイルとなりそうです。
ただ、MixChannel LIVEがこれまでのライブ配信メディアと異なるところは「ライブ中に使えるカラオケ機能」ではないでしょうか。
従来、ライブ配信では(許諾がされたものを除き)CDやDVDなどの音源であったり、カラオケの映像や音源を流すことはできません。また、一部のライブ配信メディアではJASRACやJRC、イーライセンスとの包括契約によって、これらで管理されている楽曲をアカペラで歌ったり、自分で演奏したりすることが可能ですが、配信後にしかるべき手段で使用したことを報告することがルールとして決まっています。
MixChannel LIVEスタート時に「カラオケ機能」で利用選択できる楽曲は100曲ほどで、選択幅はまだまだ狭いものの、カラオケの音源をライブ配信で利用が可能となることは大きな変化のひとつとも言えるかもしれません。
MixChannel LIVEは当面の間「トップインフルエンサーによるライブ配信が主体ですが、今後は一般ユーザーにも順次ライブ配信機能を配布する予定」(プレスリリースより)となっています。
将来、一般ユーザーにも開放された場合、「縦」画面視聴・配信が可能なライブ配信メディアにどのような変化が現れていくのでしょうか。
本命格は「LINE LIVE」だが「MixChannel LIVE」にも優位性がある
「縦」画面視聴・配信が基本のライブ配信メディアはtakusuta(LONG LIVE)、Periscope、LINE LIVE(一般ライブ)をはじめ、最近ではIt’s Me、Live.meといったサービスも国内で展開されています。
この中でも、本命格としての最有力候補はやはり「LINE LIVE」と考えるのが自然です。
LINE LIVEの基となるサービスはコミュニケーションプラットフォームの代表格「LINE」、MixChannel LIVEの基となるサービスは若者を中心に人気な日本最大級の動画コミュニティサービス「MixChannel」。
LINEもMixChannelも若い年齢層に支持されていますが、特に、MixChannelはユーザーの特性として「16歳から18歳までの利用者が47%」(媒体資料より)を占めています。
どちらも、動画視聴や生配信視聴に抵抗がない若い年齢層を抱え、そのユーザーをLINE LIVEやMixChannel LIVEへ「視聴者」として取り囲むことが双方ともに可能である、といえます。
しかし、「配信者」側の立場からLINE LIVEとMixChannel LIVEを比べてみた場合、若干MixChannel LIVEのほうが一般ユーザーの「配信者」を増やし、視聴者がどれを見たらいいか迷うぐらいの「賑わい」を作り出していくことができる優位性がありそうです。
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