値上げの根拠を、実績データで示す。受託加工・個別受注の製造業向け原価管理システム「Cosmil」正式提供開始
株式会社Whitebell
先行導入での稼働を経て提供体制を確立。案件別の原価・粗利と品目単価の推移を、Excelへの転記なしで日々把握する
株式会社Whitebell(本社:東京都墨田区、代表取締役:白畑貴大)は、受託加工・個別受注型の製造業に特化した原価管理システム「Cosmil(コスミル)」の正式提供を開始しました。契約者ごとに独立したデータベース環境を構築する方式を採用し、利用規約・申込書・機能仕様を含む契約体系および情報セキュリティ管理体制の整備を完了したことを受けたものです。
価格転嫁ができないのは、交渉力ではなく根拠の問題
中小企業庁が2026年3月に実施した価格交渉促進月間フォローアップ調査(同年6月公表)によると、コスト全体の価格転嫁率は54.2%にとどまります。内訳では原材料費が55.7%であるのに対し、労務費は50.0%。商流別に見ると1次請けの55.2%に対し、4次請け以上は45.5%と、下流ほど転嫁が進んでいません。
転嫁が進まない理由は、しばしば交渉力の差として語られます。しかし受託加工・個別受注型の現場で起きているのは、それ以前の問題です。案件ごとにいくらかかったかが分からないため、値上げを求める根拠そのものを出せない。会計上の原価は期末にまとまるため、いま進んでいる案件が赤字かどうかは終わってから分かる。多くの現場でExcelによる集計が行われていますが、日報や伝票からの転記が二重入力となり、集計は締め後になります。
案件ごとに原価を積み、差異と単価の変化を見る
Cosmilは、個別原価計算に基づいて案件単位で原価と損益を管理するWebアプリケーションです。
材料費・労務費・外注費・製造経費の4分解を案件別に自動集計し、案件詳細画面で進捗・原価内訳・見積差異・粗利を1画面に表示します。見積原価と実績原価の差異には、材料高騰・工程改善・歩留まり・値上げ交渉といったタグ付きで理由を追記でき、なぜ差異が出たかを案件に残せます。

案件詳細画面:原価内訳・見積差異・理由メモ
価格転嫁の交渉材料として直接効くのが、品目単価の推移です。過去の購入実績から、品目ごとの月平均単価を折れ線で、個々の購入実績を購入先別に色分けした散布点で時系列表示します。同じ品目を、いつ、どこから、いくらで買ってきたか。仕入価格が上がった事実を、実績データのグラフとして提示できます。同一の製品を繰り返し受注している場合は、数量別の1個あたり原価の比較や、前回受注との品目単位の単価差の表示も行えます。

品目単価の推移:月平均と購入先別の実績
工数の把握には、現場の共用タブレットで使う打刻オプションを用意しました。作業者が名前を選び4桁のPINを入力するだけで作業の開始・終了を記録でき、キーボード入力は不要です。通信が切れている間も打刻を継続でき、復帰後に自動送信されます。承認済みの打刻は毎朝自動で集計され、案件別・作業者別の工数として労務費に反映されます。現場が打った時間が、そのまま案件の原価になります。

打刻画面:名前選択とPIN入力のみで記録
このほか、材料構成の似た過去案件の実績原価・利益を参照する類似案件表示、納期から工程予定を逆算する案件スケジューラ、外部システムから案件別原価を取得する読み取り専用APIをオプションとして提供します。
1社1環境のデータ分離と、調達審査に耐える運用体制
Cosmilは、契約者ごとに独立したデータベース環境を構築する方式を採用しています。複数の契約者のデータが同一のデータベース上に混在することはありません。
権限に応じた表示制御は、画面側とデータベース側(行レベルセキュリティ)の双方で担保しています。作業者は全案件の一覧・詳細を閲覧できますが、受注金額・原価・粗利益・利益率といった経営数値は表示されません。工数一覧においても、日額単価と労務費の金額は管理者のみに表示されます。加えて、アクセス元IPアドレスによる接続制限の設定に対応し、利用を社内ネットワークからに限定することができます。
データベース全体は1日1回自動でバックアップし直近7日分を保持するほか、月次スナップショットを12世代(12か月分)、暗号化のうえ本番環境とは別の保管先に保存しています。すべての登録・変更・削除は実行者・日時・変更前後の内容とともに監査ログに記録され、削除したデータは管理者が復元できます。
同社は2026年8月、情報セキュリティ管理規程および情報セキュリティ事故初動対応手順を制定・施行しました。あわせて利用規約・申込書・機能仕様一覧を含む契約体系を確定しています。今回の正式提供開始は、これらの整備が完了したことを受けたものです。同社はIPA「SECURITY ACTION」二つ星を自己宣言しています。
対象は、案件ごとに原価が変わる製造業
Cosmilが対象とするのは、受託加工・個別受注型の製造業です。同じ製品を大量に作る繰返生産では、すでに会計上の標準原価が機能している場合が多く、本システムの適合領域ではありません。案件ごとに材料も工程も工数も変わり、そのために原価が積み上がらない現場に絞って設計しています。
製品の詳細は、同社ウェブサイトをご覧ください。実機のデモンストレーションは、2026年10月14日から16日にマリンメッセ福岡で開催される「モノづくりフェア2026」の同社ブースでもご覧いただけます。
株式会社Whitebell
所在地:東京都墨田区
代表者:代表取締役 白畑貴大
設立:2026年4月
事業内容:クラウド型個別原価管理システム「Cosmil」の開発・提供、製造業向けITアドバイザリー、IT製品の販売代理
URL:https://whitebell-sec.com
本件に関するお問い合わせ
株式会社Whitebell 広報担当 鈴木
TEL:03-4400-1869
E-mail:info@whitebell-sec.com
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