世界最先端のテクノロジー情報をお届けするグローバルメディア「MITテクノロジーレビュー」から、ビジネスに役立つ注目のテック企業の最新動向、イノベーションにつながる最新の研究内容をピックアップして紹介します。
地球を人工的に冷やす 「太陽地球工学」研究、 いまどこまで進んだか
火山の噴火を模し、成層圏に微粒子をまいて太陽光を跳ね返す——地球を冷やす「太陽地球工学」の研究が、コンピューター・シミュレーションの段階を超え、実際にどう実行するかを問う工学の段階に入りつつある。高高度機の設計や、まく物質の選定が具体的に動き出した。だが安全性もコストも未知数で、そもそも地球規模の介入が許されるのかをめぐり、賛否は鋭く割れている。
微細化の限界を超え、IBMがムーアの法則を10年伸ばす積層チップ
トランジスターの微細化が物理の限界に近づく中、IBMはトランジスターを2層に積む新チップを発表した。爪サイズに約1000億個を集積し、処理は最大5割増、消費電力は最大7割減という。量産は半導体メーカーと組んでこれからだが、ムーアの法則を10年以上延ばす可能性がある。
脳インプラントの臨床試験が急増、BCIはついに離陸期に
脳に電極を埋め込み、麻痺した人が再び「話す」力を取り戻す——そんなBCI(脳コンピューター・インターフェイス)の臨床試験が急増している。電極を埋め込まれた人は2024年から倍以上に増え、約150人に達した。だが恩恵を受けられるのは誰か、デバイスはどれだけ持つのか。なお実験段階だ。
測るほどに見えなくなる—— 「数値化」で失うもの
「測定できなければ改善できない」。この信念のもと、私たちは歩数も睡眠も生産性も数値化してきた。だが、数字を増やすほど自己理解が深まるわけではない。指標は理解を助ける一方で、対象を単純化し、微妙な意味を切り捨ててしまう。外部の指標に、何が重要かの判断を明け渡す状態にある。
「風邪はしょうがない」覆せるか、民間主導の呼吸器ウイルス根絶計画
ストライプ、アンソロピック、オープンAI財団、ビル・ゲイツ——。豪華な顔ぶれが5億ドルを出し合い、風邪とインフルエンザの根絶を目指す非営利団体が動き出す。「技術的には可能でも商業的動機がない」領域に、慈善資金で挑む。
ダークマター探索を阻む 「ニュートリノの霧」 それでも科学者は挑む
宇宙の物質の83%を占めながら、姿を見せないダークマター。その有力候補「WIMP」を、巨大なキセノン検出器が地下深くで探し続けてきた。だが、検出器が高感度になるほど、この「ニュートリノの霧」が本命の信号をかき消す。それでも科学者は諦めず、探索の場をアクシオンや木星の衛星へと広げている。
「トランスフォーマーのボトルネックを根本解決」 大胆主張は本物か
米AIスタートアップ、サブクアドラティックは、約10年にわたりLLMの進化を阻んできたボトルネックを解決したと主張する。新モデル「SubQ」はトランスフォーマーの中核を捨て、最高水準のモデル並みの性能を保ちつつ高速・低コストになったという。第三者の検証は主張の一部を裏づけたが、まだ広く試せず確証には至っていない。
成層圏に浮かぶ5G基地局が この夏、日本にやってくる
米国企業が製造した5G基地局となる飛行船が8月に日本に到着し、5G基地局としてのテスト運用を開始する予定だ。成層圏にとどまってサービスを提供する同飛行船は人工衛星に比べて、打上げコストや電波の送信エネルギーの点で有利となる可能性がある。
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