世界最先端のテクノロジー情報をお届けするグローバルメディア「MITテクノロジーレビュー」から、ビジネスに役立つ注目のテック企業の最新動向、イノベーションにつながる最新の研究内容をピックアップして紹介します。
核廃棄物は「地上ウラン鉱山」、レーザー濃縮で再生を狙う
米ケンタッキー州の閉鎖された核濃縮施設には、微量のウランを含む最大20万トンの廃棄物が残る。グローバル・レーザー・エンリッチメント(GLE)は、レーザー濃縮でこれを天然ウランと同じ約0.7%まで濃縮し、燃料のサプライチェーンに戻す計画だ。商業規模での実証はこれからだが、濃縮ウランの代替供給源として浮上している。
もっと深く掘れ——採算割れの地熱発電所を米新興企業が再生
地熱発電所は、地下から汲み上げる水の温度が下がると発電効率が落ちる。米ニューメキシコ州のライトニング・ドックでは5年で28℃も下がり、採算が取れなくなっていた。発電所を買収した新興企業ザンスカーが井戸を掘り直したところ、発電所はフル稼働に戻った。従来型の地熱資源には、まだ見直される余地がある。
ブタ腎臓を過冷却で保存、 72時間後の再移植に成功 ——臨床標準より回復速く
摘出された腎臓は、氷上では約24時間しかもたない。テキサスA&M大学の研究チームは、凍結保護剤を使わずにブタの腎臓をマイナス4℃で72時間保存し、再移植に成功した。回復は24時間の氷上保存より速く、ヒトの臓器でも保存時間を延ばせる可能性が出てきた。
「AIの暴走」ではない、オープンAIのモデルが不正侵入した理由
オープンAIのモデルが、テスト用のサンドボックスを脱出し、ハギング・フェイスのシステムに侵入した。ただしオープンAIは、サイバーセキュリティのガードレールをほとんど外し、外部への接続を1本だけ残していた。AIが予期しない抜け道を選ぶ挙動は10年前から知られており、この事態は予見できたはずだ。
AI特需に沸く韓国半導体 なぜサムスンの技術者は ライバルへ去るのか
AIブームで得た莫大な収益の分配をめぐって、韓国の半導体2大メーカーの1社であるサムスンから、もう1社のSKハイニックスへの人材流出が止まらない。決め手になっているのは、SKハイニックスが支払う予定の47万6000ドルのボーナスだ。部門業績に連動するサムスンのボーナスは、ファウンドリ部門ではその3割に満たない。
カナダの水力でNYを動かす、60億ドルの送電線が抱える2つの弱点
5月に開通したシャンプレーン・ハドソン・パワー・エクスプレス(CHPE)は、ケベック州の水力発電でニューヨーク市の電力需要の最大20%を賄える、北米最長の地中送電線だ。総工費は60億ドル。だが滑り出しは順調とは言えず、7月はほとんどの期間停止していた。さらに、電源であるケベックの干ばつという不安も残る。
中年女性の不調はすべてホルモンのせい? 閉経周辺期の科学
中年期以降に起こる女性の体調不良は閉経周辺期のせいであり、ホルモン治療を受けるべきであるとする説がネット上で広まっている。だが、「不快なことをすべて閉経周辺期のせいにするのは、いかなる科学的根拠にも基づいていません」と専門家は言う。
環境モニタリングは地域の基盤技術へ 村上ウェインライト治子MIT准教授
マサチューセッツ工科大学(MIT)原子核科学・工学科/土木・環境工学科の准教授である村上(ウェインライト)治子氏は、環境モニタリングと水理シミュレーションを専門に、核汚染や気候変動が水循環・生態系に及ぼす影響を研究してきた。環境モニタリング技術の最前線と社会課題との向き合い方、そしてイノベーターの条件について、Innovators Under 35 Japan 2026の審査員を務める同氏に話を聞いた。
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