世界最先端のテクノロジー情報をお届けするグローバルメディア「MITテクノロジーレビュー」から、ビジネスに役立つ注目のテック企業の最新動向、イノベーションにつながる最新の研究内容をピックアップして紹介します。
電気の届かないケニアの町で、なぜ電動製粉機が売れるのか?
電気が十分に届かない地域でこそ、電気で動く製粉機が広がっている——。一見矛盾するこの現象を支えるのは、価格が大幅に下がった太陽光発電だ。ケニアでは25%の地域が集中型の電力を得られないが、オフグリッドの太陽光がその穴を埋めつつある。
米中に並ぶ「3大AI強国」へ、世界一楽観的な韓国の野心
鉄鋼、半導体、スマートフォンと飛躍を重ねてきた韓国は、テクノロジーを国の生命線と信じてきた。その最新の標的がAIだ。李在明大統領は米中に並ぶ「AI3大強国」を掲げ、安全性より開発の加速を優先する。世界一楽観的な国民もこれを後押しするが、経済優先の号令の陰で、倫理や雇用への問いは置き去りにされている側面もある。
冷却の王者エアコンに、新顔「固体冷却」は割って入れるか
冷媒もコンプレッサーも使わずに熱を運ぶ「固体冷却」の研究が、世界で進んでいる。米国の企業は環境に優しい部屋規模の装置の実証を始め、ドイツの企業も店舗向けシステムの試験を計画している。だが立ちはだかるのは、長年磨き込まれてきた従来型エアコンの効率性だ。
「ボールを蹴り出せ」 それが得点を生む AIが暴くサッカーの逆説
ベルギー・ルーベン・カトリック大学のジェシー・デービス教授は、AIと機械学習でサッカーの隠れた戦術を解き明かしてきた。同教授の研究室は「最も影響力のある分析拠点」と呼ばれる。たとえば、ゴール近くでわざとボールを外へ蹴り出す——一見すると損なこの動きが、実は得点チャンスを生むと、140万のパスの分析から突き止めた。
脳インプラント3年、「声」を取り戻したALS患者は初のパワーユーザー
全身が麻痺するALS(筋萎縮性側索硬化症)を患うケイシー・ハレルは、脳に電極を埋め込んでから約3年、このデバイスで再び「話せる」ようになった。自宅での使用は最初の約2年で3800時間を超え、精度は99%に達する。仕事を続け、7歳の娘に本を読み聞かせ、疎遠だった家族とも再びつながった。
大型か小型か、原子力の2つの戦略——中国が示す「大きいほど優位」
原子力産業において米国と中国は対照的なアプローチをとっており、米国の企業が小型化を追求する一方、中国では多くの新型大型原子炉の建設が進んでいる。コスト面では大型炉が有利だが、小型炉が欧米の原子力発電所の建設継続を後押しする可能性もある。
巨額が集まる若返り技術「リプログラミング」、今度こそ本物か
細胞を若い状態に戻す「リプログラミング」が、老化研究で注目されている。巨額の資金が次々と投じられ、ヒト試験も始まった。だが、この分野はかつてテロメアや「ゾンビ細胞」にも沸き、やがて熱が冷めた歴史を持つ。今度こそ若返りは手の届くところに来たのか。それとも次の流行を待つことになるのか。
あなたの「直感」は 生理現象かもしれない—— 解明進む「内なる感覚」の謎
胸の高鳴り、胃の締め付け——緊張のとき、脳と身体は信号を送り合っている。この身体の内側を感じ取る「内受容感覚」の研究が、いま急速に進んでいる。迷走神経や、圧力を電気信号に変える仕組みの解明が進み、研究者はこの領域を「意識の新たな大陸」と呼ぶ。直感や感情、意思決定の理解を塗り替えつつあるが、私たちが内なる信号をどう扱うべきかは、まだ手探りだ。
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