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サッカーとテクノロジー〔FIFAワールドカップ2026〕 第6回

カーボベルデ、キュラソー…… 初出場・小国チームの健闘が止まらない裏側にあるのは“データの力”か

番狂わせ続きのサッカーW杯、その背景に“AI参謀”あり? すべての参加チームが使う「FIFA AI Pro」とは

2026年06月25日 18時30分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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まるで優秀なアナリスト? サッカー言語と膨大な過去データを理解するAI

 ここまで説明してきたように、背景となるテクノロジーはかなり複雑で難しいものだが、使い方はシンプルだ。ChatGPTのようなAIチャットに似た画面で、ふだんの会話のように話し言葉で(自然言語で)質問すればよい。

 たとえば「相手チームがボールを保持しているときの、標準的なフォーメーションは?」と質問すると、解析結果がチャートグラフ、ピッチ上のヒートマップ、過去の試合映像クリップとともに回答される。ここからさらに深掘りの質問をしていくこともできるので、優秀なアナリストと会話しているような感覚だ。

 さらに、選手の動きをゲームエンジンで再現した「3D表示機能」も備えており、戦術を任意の角度からの映像で確認できる。過去の試合映像を別の視点(たとえばゴールキーパー視点)から捉えた説明映像も、ボタンひとつで生成できる。

究極の目標は、グローバルな「サッカー分析の民主化」

 FIFAワールドカップ2026には、史上最多となる48の国・地域からチームが出場している。初出場のカーボベルデやキュラソーといった人口の少ない国、あるいは予算の少ないチームも多い。大国と同じ舞台に立つ彼らにとって、FIFA AI Proは心強い味方になるはずだ。

 グループステージで敗退するチームは、このAIツールを最大3試合でしか使えない。ただし、FIFAはこの取り組みを、今年のワールドカップだけで終わらせようとは考えていない。2027年に開催される女子ワールドカップ、さらにその先の大会でも提供を続ける方針であり、将来的には草の根レベルのサッカーまで「分析の民主化」を広げていく構想だという。

 データとAIの力でゲームのさらなる高度化を推進させながら、資金力に差のある大国と小国がフェアに戦えるフィールドを作る――。FIFAとLenovoのそんな取り組みは、サッカーファンがよりエキサイトして楽しめるワールドカップの実現に一役買っている。

FIFAが目指す“究極の目標”には、サッカー言語(Football Language)の標準化と、それに基づくサッカー分析の民主化が掲げられている

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