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サッカーとテクノロジー〔FIFAワールドカップ2026〕 第5回

国連加盟国よりも多い国・地域を“サッカーという共通言語”でつなぐために

なぜサッカーは国境を越えるのか? スイス・FIFA本部を歩いて考えた

2026年06月23日 10時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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“FIFA通り”の看板

 スイス・チューリッヒ。山の手の閑静な住宅街の並木道を抜け、森にさしかかるあたり。入口の重々しいゲートを抜けると、緑豊かな庭園が広がり、その先に外壁がネットで覆われた建物があった。ここが“世界のサッカーの総本山”、FIFA(国際サッカー連盟)の本部ビルだ。

 春なのに半袖でちょうどよい4月のある日、この建物を訪問した。そこは「サッカーは世界をつなぐ」という思想が、細部にまで宿った場所だった。

「ゴールネット」で覆われたFIFA本部ビル、一風変わったその構造とは

 FIFAが創設されたのは1904年、フランス・パリでのことだ。そのため、FIFAの正式名称はフランス語(Fédération Internationale de Football Association)である。その後、1932年にFIFA本部はスイス・チューリッヒへと移転した。

 2026年現在、FIFAに加盟する国・地域のサッカー協会は211に上り、この数は国連加盟国(193カ国)を上回っている。サッカーというスポーツが、いかに世界中で広くプレーされ、人々をつないでいるかを示す数字だ。

 現在のFIFA本部の建物は、2007年5月に運用を開始した。設計を手掛けたのはスイス人建築家のティラ・トイス氏。建物のテーマは「ゴールネット」だという。

 FIFAから「世界中の人々が集える場所にしてほしい」と依頼を受けたトイス氏は、サッカーで重要な要素を考えた末、ゴールネットというモチーフにたどり着いた。外壁を覆うネットは金属製であり、その表面積は約8200平方メートル、鋼材の重量だけで250トンに及ぶ。

“ゴールネット”で覆われたFIFA本部の建物

 ところで、国際組織の本部ビルと聞くと巨大な建物を想像するが、FIFA本部は地上2階建と“小柄”な印象を受ける。ただし、それは見た目だけの話であり、地下は6階まである。

 実は、チューリッヒ市が定める建物の高さ制限により、ここには2階建のビルまでしか建てられなかった。「ならば地下に行けばいい」と考えたトイス氏。その結果として、一風変わった“地上2階・地下6階”という構造の建物が出来上がったのだ。

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