「ゲームばっかりやって!」と怒られた僕たちへ。グランツーリスモ王者が作った“リアルへの道”

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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 1月24日、筑波サーキット(茨城県下妻市)のTC1000コースにて、サーキットデビューにピッタリのイベント「e-Motorsports Dream Day」が開催されました。どんなイベントだったのかをレポートします。

ゲームの腕前が「将来の役に立つ」時代へ

 イベント紹介前に、少しだけ筆者の話をさせてください。子供の頃、デイトナUSAやセガラリー、リッジレーサーなどのレースゲームが大好きで、ゲームセンターの大会で優勝したこともあるほどの腕前でした。でも親から「ゲームばっかりやっていて……」と怒られてばかり。優勝したのに怒られるのですから理不尽このうえなしです。さらに「何の役に立つの?」とまで。親の言う通り、当時は何の役にも立ちませんでした。

 でも今は違います。レースゲームはレーシングシミュレーターに進化し、画面の中のクルマは現実の自動車の挙動とほぼ同じ動きをするようになりました。ゲームの世界大会が行なわれるようになり、またシミュレーター出身のレーシングドライバーだって珍しくない時代になりました。なんなら映画にもなりました(映画版グランツーリスモ)。

 「何の役に立つの?」と言われたら「将来、プロゲーマーになるんだ」「プロドライバーになるんだ」と胸を張って言い返せる時代になったのです。

eモータースポーツ王者が抱く「開催への熱い想い」

 イベントの主催である山中智瑛さんもそのひとり。彼は「FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ」で2度の世界王者に輝いたeモータースポーツプレイヤーで、筆者とは比べ物にならない腕前なのですが……。「シミュレーターが上手くなった先の手伝いをしたい」という山中氏。そこでサーキットデビューの手助けとなるイベントが開催できれば、ということで企画したのがこのイベントなのです。

 「愛車でサーキットを走ってみたいけど、色々な不安があると思います。気軽に参加できるようにしたかったですし、免許やクルマをお持ちでない人も楽しめるイベントにしたかった」と開催への想いを熱く語ります。

 同じくグランツーリスモのチャンピオンから実際のレーサーになった、冨林勇佑選手、宮園拓真選手も駆けつけ、デモランなどで会場を盛り上げました。

冨林勇佑選手

宮園拓真選手

サーキットデビューに「筑波TC1000」が最適なワケ

 イベントはサーキット走行経験者向けの「フリーラン」のほか、初心者向けの「レッスンクラス」を用意。レッスンクラスは走行前に、サーキット走行マナーの座学を行ない、その後、先導車のあとをゆっくりと走る習熟走行。そして自分のペースで走行とステップアップ。これなら初めてのサーキットでも安心ですね。

 また、コースが筑波サーキットTC1000というのもポイントなのだそう。山中氏によると「筑波サーキットは都心から近いので選びました。グランツーリスモにも収録されていることもあって、筑波といえばTC2000というイメージが強いですが、初めての人が走行するにはちょっと危ない。よって速度が出ないTC1000にしました」とのこと。

 参加者のクルマを見ると、綺麗な個体が多いのが印象的。年式の新しいクルマだけでなく、往年の名車が多いのも特徴といえそうです。参加者は若い人が中心。それは主催者である山中氏の友人や知り合いが多いこともあるのでしょう。

シミュレーターで練習してから走れる

 自動車を所有されていない人、またはパートナーやお子さんも楽しめるのも本イベントの特徴です。

 会場には、e-Motor Sportsに参戦するTRUSTが、R35 GT-Rのデモカーを展示。どこかで見かけたことがあるような……という人は、ドリフト競技ファンでしょう。

 スポーツカーでも音楽を楽しみたいという人に向けて、カーオーディオをアピールするショップ「サウンドプロ」の姿も。こちらもデモカーはR35 GT-Rでした。

 e-Motor Sports出身のプロドライバー、冨林勇佑(SUPER GTドライバー)選手と、宮園拓真選手による同乗走行も実施。シミュレーターしか乗ったことのない人は、その横Gや音などに驚いていたようです。そして空いている時間には、ファンサ―ビスをしていました。

 午後には、冨林選手が内装などをすべて取り払ってマフラーだけ取り換えた「大学自動車部の貧乏チューン」仕様のアルテッツァを使いタイムアタック! 39秒台が目標とのことでしたが、結果は40秒フラット。とても残念そうでした。

「実車は足し算、ゲームは引き算」意外な攻略法

 ピット内にはグランツーリスモが楽しめるエリアが用意され、ハンドルコントローラーによるプレイが可能。筆者もうん年ぶりにレースゲームに挑戦したのですが、マトモに曲がるのも困難。子どもの頃はカンタンにドリフトとかできたハズなのに……。

 そこで世界チャンピオンの山中さんにコツを教えていただきました。「引き算をしてください。実際の運転と違って入ってくる情報は目だけですので。逆に情報は視覚のみですので、実際に走ったときに横Gなどの情報を足し算していったんです」とのこと。

 世のお父さん、お母さん。ゲームをするお子さんにシミュレーターをやらせてみてはいかがでしょうか。意外な才能に目覚めるかもしれませんよ!

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