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Teenage Engineering「TP-7」
おもちゃじゃなかった! 本物のプロ仕様レコーダー 圧倒的なビルドクオリティと機能性にため息
2025年11月30日 17時00分更新
TP-7はデジタルオーディオレコーダーで、音楽制作はもちろん、DJのアイデアスケッチ、フィールドレコーディング、動画制作の素材録り、さらには日常のメモ録りまで、とにかく用途の幅が広い製品です。
一際目を引くのが、中央のテープリール風ホイール。これはただの飾りではなく、録音データの頭出し、カット位置の微調整、逆再生、スロー、スクラッチ的な操作にまで応えてくれる、この製品の中核をなすインターフェースです。
録音素材の頭出しをするために、ジョグダイヤルを回す。このアナログ的な手触りで、デジタルの素材を扱えるのが面白く、そして何より直感的です。
また、3系統の入力を持ち、単体でミックスできるなど、外見のミニマムさからは想像できないほど、機能は多彩。録音の道具として、持てば持つほどその魅力が感じられました。
「高いけれど、絶対ほしい!」と思えるほど魅力的な製品がTP-7なのです。
TP-7を購入する3つのメリット
ポイント(1)カードよりすこし大きいサイズに凝縮された豊富な録音機能
TP-7の最大の驚きは、名刺より小さいサイズに「こんなに入る?」と思うほどの録音機能が詰め込まれているところです。
高い品質の内蔵マイクを備えています。外部マイクを使わなくても十分実用レベル。さらに本体には3系統のステレオ入力/出力を備え、複数のマイクやソース機の音をミックスできることに加え、USB-C接続すればオーディオインターフェイスとしても動作するので、PC・スマホにつないで、そのまま録音することも可能です。
録音フォーマットも柔軟。ハイレゾ録音にも対応しており、現場でそのまま、配信や音楽制作用の本番素材を収録できてしまうのも強みです。本体は充電式バッテリーで長時間駆動するため、ロケ、取材、曲づくりのフィールドワークなど、電源を確保しにくい状況でも安心して使えます。
音声メモから音楽制作まで、幅広い用途に対応できる万能レコーダーという印象です。小さいのに現場に持っていける安心感をちゃんと備えているのが、この機種の価値だと思います。
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ポイント(2)テープリールの斬新な操作感と片手で完結するUI
やはり触りたくなるのは中央のテープリール風ホイール。このホイール、見かけ倒しのギミックではなく、実際は録音・編集・再生のすべてに深く関わる本機の主役となる操作デバイスです。
軽く回すだけで頭出しや微妙な位置調整ができ、逆再生・スロー再生、さらにはDJのスクラッチ的な遊びまでできてしまうのは、他のポータブルレコーダーにはまずない体験です。
UIもミニマルで、物理ボタンは厳選されており、見た目はシンプルなのに操作は直感的。録音ボタンを押せばすぐ録れる、ホイールを回せば素材に触っているように動かせる。この「触ってわかるUI」があるって、めっちゃ助かるとTP7に触れて久しぶりに感じました。
サイドボタンの位置も絶妙で、片手で持っていても自然に操作できるバランスになっています。たとえば左側面にあるレバーは「巻き戻し/早送り」に対応。サイズが小さいぶん操作が窮屈かと思いきや、むしろ動かしたいときに指が自然とそこにある感覚で、本当によく考えられているデバイスだと実感します。
ポイント(3)文字起こし、録音内容をスピーディに把握するのに役立つ
録った後の処理がとてもスムーズな点もポイント。専用アプリとの連携により、録音ファイルの管理がしやすく、スマホやPCに接続するとそのまま文字起こしまでできてしまいます。
音楽や動画の音声収録だけでなく、インタビューや会議記録を扱う際の作業効率もかなり変わるはず。
またホイールで録音内容を高速に“つまみ食い”するように確認できるので、長いインタビューを一気に聞き返す必要がありません。気になるポイントを見つけたら軽くホイールを回すだけで該当箇所にアクセスでき、後処理のスピードが明らかに向上します。
録音メモが多くなる仕事や、アイデアを大量にボイスで残すクリエイターにとって、この「後での扱いやすさ」はかなり重要かと思います。
購入時に注意するべき側面
iPhoneなどとのデータ交換に工夫が必要
TP-7の大きな弱点は「スマホとの連携がそこまで強くない」という点。これだけ本格的な録音ができると、次のステップとしてPodcast編集や動画用の音声制作に進みたくなります。最近はiPhoneだけで収録〜編集〜投稿まで完結するケースも増えているため、TP-7でも同じ流れで使いたくなるのは自然だと思います。
たしかにアプリはあるものの、文字起こしや録音内容の確認がメインで、書き出しの自由度やiOSファイルアプリとの連携面ではまだベストとはいえない印象。
結果、本格的に音声を加工などしたい場合は、PC経由でデータ整理を挟むなど、ひと手間必要になる場合が多いかもしれません。もちろん工夫次第で、iPhoneで編集する流れ自体は作れますが、「モバイル完結」を狙う人は少し不便に感じるかもしれないです。
価格の高さと、ホイール品質に関する声
海外レビューでは「ホイールの動きが渋い」「個体差がある」といった品質管理の指摘を散見しました。27万5000円という高額な価格帯の製品で、こうした声があるのは少し気になる面があります。
ただし、編集部で実機に触った限りでは、ホイールは軽く、指に吸い付くように滑らかに動くなど、質感の高さを感じ、不満に思う面はありませんでした。回転のブレやガタつきもなく、むしろ極めて精密に作られている印象で、「録音機でありながら所有感も大切にしたい」という感性も満たしてくれる製品だと思います。
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