このページの本文へ

大谷イビサのIT業界物見遊山 第88回

自治体を統べるAWS ガバクラの6割強占め一人勝ち

2024年10月31日 11時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ガバメントクラウドの案件では今のところAWSが一人勝ちの状況だ

 行政機関のガバメントクラウドへの移行状況がAWSの発表会で明らかになった。(関連記事:移行期限迫るガバクラ、自治体・支援事業者の現状は? 300の自治体で利用されるAWSの場合)。名古屋市が「単独利用方式」を選択した背景やベンダーである日立システムズの支援体制など興味深いトピックが多かったが、注目したいのはやはりガバクラにおけるAWSのシェアの高さだ。検証事業で採択されている早期移行団体463団体のうち、300を超える自治体がAWSを採択しているという。これはもはや「一人勝ち」とも言ってよい状況だ。

 なぜAWSなのか? 発表会に登壇した日立システムズはAWS採用の理由について「ドキュメントの充実」と「IaC(Infrastructure as Code)による作業の自動化」を挙げている。先日、JAWS FESTAで聞いた東広島市の講演でも、ガバクラへの移行を阻む課題の1つとしてエンジニア不足が挙げられており、作業の自動化はベンダーにとってもきわめて重要な要素。AWSはこの要件を満たしていたというわけだ。

 ご存じの通り、現在パブリッククラウドの主戦場は生成AIに移っているが、Microsoft AzureやGoogle Cloudに比べて、AWSは生成AI分野を必ずしもリードしている立場ではない。しかし、それ以外はほぼ揃っている。シェアNo.1の実績と利用ユーザーの多さはやはり圧倒的だし、共有されている知見やドキュメントも豊富。また、AIへの注力をアピールする北米のAWS re:Inventに対し、日本で開催されたAWS Summitでは数年前から自治体へのフォーカス、クラウドの教育プログラムなど地味なトピックを取り上げてきた(関連記事:4年ぶりのリアルAWS Summit 基調講演は生成系AIとパブリックセクター)。AIよりも重要な要件が多いガバメントクラウドの領域においては、その取り組みがきちんと成果に結びついているように見える。

文:大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事

アクセスランキング

  1. 1位

    sponsored

    60年の時を超え「COBOL」がGitHub Copilotでよみがえる 勘定系アプリの“超難関”モダナイに7社が挑戦

  2. 2位

    sponsored

    キャッシュレス決済の利用シーンを広げる 三井住友カードの「stera terminal light」とソフトバンクのIoT回線

  3. 3位

    TECH

    パンや酒、チョコづくりにも関わる微生物「酵母」の進化を追求

  4. 4位

    sponsored

    “120TB消失危機”を救ったBox。ゼネラルが挑むグローバルデータ統合の舞台裏

  5. 5位

    データセンター

    「関東・関西に次ぐDC集積地」目指す 北海道・石狩でデータセンター連合 さくら、NTT東らが参画

  6. 6位

    デジタル

    東京タワー相当の紙を“完全撤廃” 点検業務をkintone化した“現場ファースト”な改善術

  7. 7位

    ITトピック

    6割超の企業で「セキュリティは取引条件」 SCS対応も進む/パワハラと指導の違い、あなたの基準は?/AIへの危機感か 転職希望のIT人材が増加、ほか

  8. 8位

    デジタル

    IoTデバイスをサイバー攻撃から守る IoT向けゼロトラストの“3つのアプローチ”

  9. 9位

    ビジネス・開発

    富士ソフトがエンジニア1万人超を「AIネイティブ」化 実装力を武器にフィジカルAIなど3本柱に注力

  10. 10位

    sponsored

    「現場に行くのが当たり前」を変えたアズビルのリモート調整 効果はプライスレス

集計期間:
2026年07月26日~2026年08月01日
  • 角川アスキー総合研究所