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大谷イビサのIT業界物見遊山 第110回

PC管理はもう勘弁 Windows 365 Linkへの関心に情シスの叫びが聞こえる

2025年06月02日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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モニターと比較すると、Windows 365 Linkの小ささが際立つ

 マイクロソフト御謹製のクラウド端末「Windows 365 Link」の記事が読まれている(関連記事:「Windows 365 Link」の実力は? 手のひらサイズのクラウドPC専用端末)。基本はネットワーク経由でWindowsの仮想マシンをロードできるシンクライアントだが、管理者権限も不要で、ローカルストレージも搭載していないので、セキュリティも高い。CDサイズの筐体もコンパクトで、動作も機敏であれば、確かに魅力的。ポストVDIを検討するユーザーにも刺さりそうだ(関連記事:もうやめたい 怨嗟の声で終わりの始まりを迎えるVDI)。

 クラウドにOSやアプリを配置し、シンクライアントに配信するソリューションは真新しいわけではない。ただ、仕組み上は動作が遅いため、コールセンターや工場、店舗など、今まではあくまで限られた業界での利用だった。しかし、セキュリティや端末管理の課題を解決したいという声は業界問わず大きいはずで、実際にWindows 365 Linkの記事でも「これらのユースケースはほんの一例だという」と書かれている。クラウドの登場でサーバーやストレージの運用は効率化されたが、クライアントPCの導入や管理は結局残っているからだ。

 一方で、情シスの方々によく聞くのは「社内から下請け業者に見られがち」という話だ。これらクライアントPCの調達やOS・ソフトウェアをインストールするキッティングは、重要だが確かに地味な作業だ。ましてWindows 10 EOSを受けたバージョンアップ作業や再起動を繰り返したCrowdStrikeの事件の対応など、使い続けるために必要な管理作業も大変。Windows 365 Linkへの関心の高さは、情シスから見ても決してクリエイティブとは言えないこれら「PCの導入・管理作業はもう勘弁してほしい」という情シスの本音が現れている。

 

文:大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

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