先日、イベントレポートを掲出した日本マイクロソフトとASCIIの「第4回 AI Challenge Day」(関連記事:便利なのに楽しくないネット通販 エンジニアたちが次の買い物体験を真剣に考えてみた)。審査員として、記者として、イベントに参加して感じたのはECとAIとの相性のよさだ。
ECサイトはマネタイズに直結するインターネットのサービスとして最古とも呼べる歴史を持つ。アスキー自体もMicrosoft Commerce Serverの初期ユーザーとしてECにチャレンジしたこともある。Amazonも、楽天も、ECでの成功が、その後の事業拡大につながった。1990年代、私が最初に取材したECの事例では、そもそもインターネット上でのクレジットカード決済を実現することがテーマだった。
あれから四半世紀。商品を検索し、かごに入れ、決済したら、出荷されるというECのオペレーションは基本的に変わっていない。しかし、顧客や市場のデータを得たAIエージェントの登場で、顧客体験やプロセスは大きく変わるはずだ。イベントでは、若者、ファミリー層やクレーマーなどさまざまなペルソナを備えたAIエージェントに、商品を購入してもらうECサイトを各社が構築した。成果物を見ると、人ではないと難しいと思われた顧客に寄り添った商品提案や粘り強い価格交渉なども、遠からずAIで実現できるのではと考えさせたれた。「AIが商品を選び、AIが店を運用する」。そんな時代に差し掛かっている予感がある。
文:大谷イビサ
ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。









