環境保護のために、俺たちに何ができる? 「TOKYO GX ACTION BEGINNING~知るから始まる脱炭素~」レポート

世界で生産される服の6割、なんと3000億枚が捨てられている。なぜそんなことに?

文●貝塚/ASCII

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公式アンバサダーの山之内すずさんと環境活動家の露木しいなさんによるトークセッションの模様

驚くほどの服が捨てられているらしい

 10月13日、14日に有楽町の国際フォーラムで開催されている「TOKYO GX ACTION BEGINNING〜知るから始まる脱炭素〜」で、公式アンバサダーの山之内すずさんと環境活動家の露木しいなさんによるトークセッションが実施されました。

 露木しいなさんによる現代の環境に関する問題の解説や、おふたりが気候変動対策として取り入れていることの紹介、山之内すずさんによる質問コーナー、露木しいなさんが作成したクイズコーナーなど、内容は盛りだくさん。座席もほぼ満席で、注目度の高いステージとなりました。

 料理とガーデニングを趣味としている山之内すずさんは自宅にコンポストを導入していて、料理で出た生ごみを堆肥に変え、ガーデニングに再利用しているそうです。

料理とガーデニングを趣味とする山之内すずさんは、自宅にコンポストを導入しているそう

 ステージの中で印象に残ったのは「世界で生産されている服のうち、6割が廃棄されている」というお話。なんと、その数は3000億枚にもなるとのこと。

 露木しいなさんの解説によると、生産された服の全てが売れるわけではなく、保管しようにも倉庫代がかさむため「売れなければ廃棄」という選択をとる生産者が多く、このような状況になっているとのこと。そのほかにも「その年のみの限定デザインで、翌年は販売できない」といった事情もあるそうです。

 さらに服の廃棄が増えているもうひとつの理由として「誰でも手軽に二次流通ができるようになったから」という理由も挙げられていました。つまり「似合わなかったり、あまり着ないようだったら、インターネットで売ればいいや」という発想で服を購入するものの、実際には売却できずに結局捨てられる……という運命をたどる服も、近年は増えているということですね。

じゃあ、自分たちにできることって?

 かといって、「服を捨てるのはいけないことなのでやめましょう」とは簡単に言えないのが環境問題の難しいところ。メーカーにとっては、シーズンごとに魅力的な服を多く生産するのも、利益を圧迫しない在庫の処理方法を選ぶのも正当な判断。生産量の増減は雇用にも、経済にも影響します。

 廃棄を減らすために、寄付や再利用といった活動を実施しているメーカーも存在しますが、それでも生産したすべての服が消費者に行き渡り、長年大事に着てもらえる……というのは(少なくとも現時点では)なかなか難しいところでしょう。

 スケールを下げてみて、「自分にできることはあるか?」という方向で考えてみると、どうでしょう。やはりすぐに実践できるのは基本的な心がけで、まずは「熟考して購入する」「購入したら長く大事に着る」に落ち着くのかな、と思いました。昨今はSNSの台頭なども手伝って、個人から生まれた心がけが拡大し、やがて大きなムーブメントに変化する現象も見られます。

 個人の心がけとしてそういった精神が広く根付くと、長く愛用してもらえるプロダクトの需要も上がり、長い期間を経ていく中で、全体的な消費の傾向にも変化が出てくるのかも。服について環境に絡めて考えたときに、まずは、いま持っている服を大事にしようと思った次第でした。

TOKYO GX ACTION BEGINNING〜知るから始まる脱炭素〜

DAY1:2024年10月13日(日)11:00〜19:00
DAY2:2024年10月14日(月・祝)10:00〜17:00
開催場所:東京国際フォーラム ホールE
入場料:無料

URLhttps://tokyo-gx-action.jp

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