「育児疲れ」画像生成AIで作ってみた
筆者も、どうすればよりオリジナルの漫画をより活かす形にできるだろうかと考えてみました。オリジナルの白黒漫画を参考に似たようなシーンを「DALL・E3」(ChatGPT)でサンプル画像を作成して、それを活用して着彩を試みることにします。意図的に吹き出しなどや効果が残るように、プロンプトを指定しています。
![](/img/2024/08/11/3779320/l/4ad584b02aabbdd2.png)
加工前の画像。漫画のコマを参考に、プロンプトを考えDALL・E3(ChatGPT)にて作成した。吹き出しは後で削除するために意図的に入れてある。あくまでテストのため原作そっくりではないのはご容赦頂きたい
2日、画像生成サービスのNovelAIが「ディレクターツール」という新機能を搭載しました。これは漫画作成に使える線画化や着彩機能など、「copainter(コペインター)」や「AI-Assistant」などの競合ツールで実現できる機能に似た機能です。ただし、その中に、「ディクラッター」という機能があり、画面中の吹き出しや描き文字を削除することができます。これを使い、まずセリフ部分を削除。その上で、「線画」で線画画像を作成してみました。
着彩はKrita AI DiffusionをSDXLのLiveモードを使うことにします(「これが無料でいいのか!? “爆速生成AI”がペイントソフトに革命を起こした」参照)。この環境ではリアルタイムでAI生成画像の変化を見られるので、結果を見ながら絵を調整できます。ControlNetの「Lineart」で元画像の線画を指定しつつ、上から大雑把に着彩を行いました。そして、プロンプトには、「疲れた、隈(tired, black corner)」という指示も入れておきます。そうすることで、元の線画の雰囲気を残したまま、カラー化することが可能です。着彩にかかった時間は15分程度。雑に塗っても、適当にいい感じで塗ってくれるのが、この環境の特徴です。
![](/img/2024/08/11/3779322/l/1c11506546fd9a92.png)
Krita AI DiffusionのLCM(リアルタイム)環境で着彩を行った画面。右がオリジナルの線画で、そこにレイヤーを重ねて着彩すると左の画像になる。現在のバージョンはv1.21.0で、SDXL環境の品質向上、SDXL用ControlNetの多機能化などが図られている
白黒の原画を活かしながら、短い作業時間で、着彩した画像を作成していくことは十分にできると考えます。もちろん、キャラクターを統一するなど全編にわたって機能させるためには、やはり専用キャラクターLoRAを作成するなどの別のテクニックとの組み合わせも必要になるでしょうが。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第74回
AI
AIバブル崩壊をめぐって -
第73回
AI
AIは著作物の「フェアユース」と言えるのか 音楽業界vs.AIミュージック -
第72回
AI
人が絵を描く“工程”をAIで再現 タイムラプス風動画が炎上した「Paints-Undo」 -
第71回
AI
危機的状況の画像生成AI「Stable Diffusion 3」立て直しへ -
第70回
AI
イラストのペン入れと色塗り、AI使えばわずか1分 -
第69回
AI
AI動画の品質が仕事に使えるレベルになってきた -
第69回
AI
“革命”起こした画像生成AIに暗雲 「Stable Diffusion 3 Medium」の厳しい船出 -
第68回
AI
AIが作る3Dモデルの完成度が上がってきた 毎回異なるモンスターが生成されるゲームも実現か -
第67回
AI
アドビの画像生成AI機能がまた進化 白黒3Dモデルがリアルな都市に -
第66回
AI
有名人そっくり、増え続けるAI音声 “声の権利”どう守る - この連載の一覧へ