有料サービスに移行させるには性能が課題に
過去、Stability AIはSDやSDXLを無料で自由に扱えるライセンスで公開したことで、画像生成AIの普及や後発企業を生み出しました。しかし、その普及によって生まれた利益を大きく得られてはいません。虎の子のSD3を通じて有料ユーザーへと移行させていきたいという本音があることは感じられます。しかし、無料状態に慣れたユーザーを、商用利用のための月20ドルの有料サービスへと誘導するハードルには非常に高いものがあります。しかも、肝心のSD3Mの性能には課題が見えています。
SD3Mはかなり厳しい船出となったと言えるでしょう。果たしてStability AIは、この状況を乗り越えられるのでしょうか。
筆者紹介:新清士(しんきよし)
1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。
※訂正:言語モデル(T5 XXL)に関する表現に誤解があったため訂正しています。(2024年6月25日15時21分)
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