有料サービスに移行させるには性能が課題に
過去、Stability AIはSDやSDXLを無料で自由に扱えるライセンスで公開したことで、画像生成AIの普及や後発企業を生み出しました。しかし、その普及によって生まれた利益を大きく得られてはいません。虎の子のSD3を通じて有料ユーザーへと移行させていきたいという本音があることは感じられます。しかし、無料状態に慣れたユーザーを、商用利用のための月20ドルの有料サービスへと誘導するハードルには非常に高いものがあります。しかも、肝心のSD3Mの性能には課題が見えています。
SD3Mはかなり厳しい船出となったと言えるでしょう。果たしてStability AIは、この状況を乗り越えられるのでしょうか。
筆者紹介:新清士(しんきよし)
1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。
※訂正:言語モデル(T5 XXL)に関する表現に誤解があったため訂正しています。(2024年6月25日15時21分)
この連載の記事
-
第86回
AI
イラストに強すぎる画像生成AIモデル SDXL系「NoobAI-XL」の衝撃 -
第85回
AI
3DモデリングにAI革命の兆し 1枚のイラストから3Dデータが完成 -
第85回
AI
誰でもVTuber時代へ フェイシャルAI技術、続々登場 -
第84回
AI
画像生成AI「Stable Diffusion 3.5」性能はものたりないが、自由度が高いのは魅力 -
第83回
AI
リアルすぎてキモい 動画AIの進化が止まらない -
第82回
AI
もはや実写と間違えるレベル 動画生成AI「Runway」の進化がすごい -
第81回
AI
AIイラスト、こうしてゲームに使っています -
第80回
AI
ゲーム開発はAI活用が当たり前になりつつあるが、面白さを作り出すのは人間の仕事 -
第79回
AI
AIが考える“アイドル”がリアルすぎた グーグル「Imagen 3」なぜ高品質? -
第78回
AI
話題の画像生成AI「FLUX.1」 人気サービス「Midjourney」との違いは -
第77回
AI
画像生成AI「FLUX.1」が相当ヤバい LoRAで画風の再現も簡単に - この連載の一覧へ