丸の内エリアの古き良き昭和レトロなスポットを巡り、魅力を深掘りする本連載。13回目となる今回訪れたのは、丸の内南口からほど近くの「東京ビル TOKIA」地下1階にある天ぷら屋「菊亭」さんです。
ここ菊亭さんは、なんと44代総理大臣の幣原喜重郎氏が名付け親という老舗中の老舗。創業は昭和26年とのことで、70年以上も前から続いていることになります。近代化する丸の内とともに移転なども経て、歩んできた名店中の名店ですね。
さてさっそく店内へお邪魔すると、お店は奥行きがあって天井が高く、開放感たっぷり。テーブルとカウンター席はきれいに整えられ、清潔感のある店内はゆったり46席が並びます。老舗の天ぷら屋ということもあり、雰囲気はあるものの決して敷居が高いというイメージはなく、ランチやディナーどちらでも気軽に訪れることができそうな雰囲気でした。
そして、やっぱり気になるのがメニューです! 天ぷらのコースは、かき揚げ、穴子、いか、海老2本に野菜3点とたっぷりで、ボリューム満点で満足感がありそう。日によって変わる単品メニューも充実していて、産地直送の刺身やさつま揚げ、トマトの土佐酢漬け、だし巻き卵もおいしそうです。
ファンが多いという天重は、上、特、かき揚げ、野菜天、穴子の定番5種に、限定の大海老天重というのもあって、バラエティ豊かなラインナップ。しかも、お値段が上天重でも1,210円と老舗の天ぷら屋さんとしてはとってもリーズナブルなんです。これはかなり魅力的……。
どのメニューにしようか考えていたところでしたが、せっかくおいしい天ぷらを食べるなら、今回はいろいろな具材を試してみたいということで、お店イチ押しの天ぷらをアラカルトでいただくことに。天ぷらのアラカルトなんて、高級感あってとっても贅沢ですよね。
まずは旬を迎えたとうもろこしと、春と秋しか獲れないという桜海老からいただくことに。とうもろこしは粒がぷりっぶりで、甘味もたっぷり。お口の中で香ばしくサクッとした衣と絶妙にマッチしてもう最高!とうもろこしの天ぷらってホントにおいしいですよね。
桜海老は、お箸で持ち上げた瞬間に香りが感じられるほどでちょっと驚きでした。味も香りのまま、ほんのりと甘味があり、カリッとした食感は止まらないおいしさです。
次は、見るからに身がふんわりしている迫力ある穴子。塩で食べてもクセもなく臭みをまったく感じないのがスゴい。そして上品な天つゆもまたいい。穴子のジューシーな旨みが引き立つようで、相性抜群。これぞご馳走という感じです。
さらに人気メニューのかき揚げは、直径15cmはあるのではないかという大きさで、こちらもインパクトがすごい。衣はサクサクと軽くて香ばしく、具材の小海老と三つ葉の味わいがこれでもかというほど引き立てられているように感じます。一人で食べるには大きすぎるので、一つを注文して家族やみんなで食べる人も多いんだとか。
この巨大なかき揚げを、中まで均一に火を通しつつサクッと揚げるのには、相当な技術が要るそう。かき揚げでもほかの天ぷらでも、具材は新鮮なものを選び抜き、油は高品質な綿実油と淡口の胡麻油を使用。その上質な素材と職人さんの技が組み合わさることで、おいしい天ぷらが完成するんですって。
メディアにも何度か登場したことがあると教えてくれた、気さくな大将。とても簡単そうに手際よく揚げていく職人の姿がかっこよかったです。
おいしい天ぷらを求めてお店に来るのは、常連を中心に、周辺のオフィスで働くビジネスマンが多いそう。さらに東京駅から近いということもあって、外国人の観光客も多いといいます(英語メニューも完備)。そのようにさまざまなお客様に満足してもらうために、価格は昔からできるだけ抑えているそう。特に最近は原材料の高騰のおり、本当にありがたい!こんなにおいしいものを、庶民的なお値段でいただけるなんて……うれしすぎます!
おなかいっぱいになったところで、13回目の「菊亭」のレポートはおしまい。2回目のレポートはいかがだったでしょうか? さてさて次はどこへ行こうかな〜。
菊亭
住所 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA B1
営業時間 11:00~15:00(LO14:30)/17:00~22:00(LO21:00)
定休日 不定休
電話 050-5492-1385
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