丸の内エリアの古き良き昭和レトロなスポットを巡り、魅力を深掘りする本連載。今回からクルミさんにかわり、わたくしスギハラが担当します! まだまだ昭和レトロなお店、めぐっていきますよ! ということで12回目に訪れたのは、甘味の名店「甘味おかめ 交通会館店」です。昭和21年創業の老舗とのことでワクワクが止まりません! 昔からのファンも通っているそうで、名物のおはぎは多い日だとなんと500~600個も売れるんだとか!
名物のおはぎをすぐにでも食べたいところですが……はやる気持ちを抑えて、まずはお店をぐるり。
店頭には、昔ながらののれんや“おかめ”のお面、そしてステンドグラスがはめられた、なんともレトロな店構え。ショーウィンドーにはおいしそうなメニューがズラリと並び、手仕事の器もステキです。
中に入ると、整然とテーブルが並んでいて、店内はパリッと清潔! 座席数は25席とそう広くはありませんが、間隔がほどよく空いている感じ。実際その席についてみると……とても落ち着きます。これは居心地いいかも!
甘味処なのに、スイーツ以外にも気になるメニューがめじろ押し!
さてここからが本題。なにを食べようかなっとメニューを見ると、おはぎやみつまめ、ぜんざい、豆かんなど見慣れた名前の中に…。ん?? “蔵王あんみつ”ってちょっと気になる名前のメニューが…。そして甘味だけでなく、おぞうに? きしめん? おでん?やお弁当?まであるみたい!
ついつい目移りしてしまいますが……看板のおはぎははずせないし、あとは、名前からして気になる蔵王あんみつ。それに欲張って、おかめ弁当もいただいてしまいます。
おかめオリジナルの看板メニュー【蔵王あんみつ】のたたずまいがヤバい!
まずは、おはぎ。ふつうの大きさの2倍はありそうなたっぷりしたおはぎは、注文を受けてから仕上げられるそうで、ほんのりあたたかでした。どんな味なのか、さっそく食べてみると…。これすごくおいしい! なめらかな餡に、つぶつぶと弾力のあるもち米が絶妙にマッチしています。
餡の甘さは上品で、特に驚いたのが香りの良さ。北海道・富良野産の上質な小豆と砂糖、水だけを弱火にかけ、灰汁を丁寧に取り除きながらじっくり炊き上げているのだそう。
続いての蔵王あんみつは、お〜このきれいな感じに心躍ります! 大粒の豆はつやつや、バニラソフトはふんわりなめらかです。
この蔵王あんみつは「おかめ」のオリジナルメニューで、餡に小豆ではなく、金時豆が使われているのがポイント。豆は形を残しつつもしっとり柔らか。甘さは控えめで、そこにさっぱり冷たいソフトクリームと自家製の黒蜜のコクが加わり、さらに、固めに仕上げられた寒天がいいアクセントなっています。
先々代から守る伝統の味が人気の秘訣
最後のおかめ弁当は、ビジネスマンが多い交通会館店ならではの限定メニュー。おでん5種に赤飯、茶飯、焼きそば、お吸い物と盛りだくさんなのがうれしいですね。おでんの出汁は昆布が効いていて、大きな大根は特に素材の味が引き立っているように感じます。
赤飯はおはぎと同じく、やっぱり小豆がいい香り。もちもちと優しい味わいで、食べ終えるのが惜しくなるほど。硬めに炊かれた茶飯、鉄板で香ばしく炒められた焼きそばもこれまた美味!炭水化物をしっかりと摂れるので、ビジネスマンに人気なのも納得です。
これら「おかめ」の味について聞いてみたところ、先々代から変わらず続くものなのだそうで、上質な素材を使い、手間ひまかけて作っているとのこと。シンプルで素朴なこの味わいは、ありきたりなようにみえて、実は特別なのですね!
おなかがいっぱいになったところで改めて店内を見回すと、インテリアがレトロモダンでいい雰囲気。聞けば先代が民藝好きで、お店にギャラリーを併設していたときもあったんだとか。
このお店でも、椅子やテーブル、照明器具は松本民芸家具でそろえられ、壁に並ぶ絵は人間国宝・芹沢銈介の版画だったり。インテリアもさすがホンモノばかりでした。
ということで12回目の「甘味おかめ」。緊張の初レポートいかがだったでしょうか? 次回はどこへ行こうかな。
甘味おかめ 交通会館店
住所 千代田区有楽町2-10-1東京交通会館B1F
営業時間 11:00~19:00
定休日 日曜・祝日
電話 03-3216-6008
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